きまぐれ熊

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

4.2
ジャンプ掲載の1話で衝撃を受けたオリジナルの厄介古参ファン的視点で言えば、「流行ってるから見る」層とは根本的に視点が違うと思うし、流行りからは1番冷めた立ち位置の自信ある。

この映画の何が凄いかといえば、無限列車編で単体の作品として切り取れるって視点を持ったプロデュースのセンス一択。
その次が、映画としてパッケージングする為に入れたオープニングとエンドロール直前におけるお館様の独白で1つの作品として成立させた事。
これによって連続した物語からのただの切り抜きなのに、1つのテーマ&暴走列車を止めるまでの一夜の物語という1シチュエーションの映画として成り立ってるんだよね
それ以外は至って普通の良作アニメ作品だと思う。普通っていうのは貶しているわけではなく、そもそも日本のアニメ作品ってめちゃくちゃレベルが高いので、評判がいい作品なら大抵のものはこれに近しい凄さはあると思うよって意味で。

ジャンプで大きく跳ねたのは作者の実力だと思うし、アニメ作品として評価を受けたのはユーフォテーブルの実力として当然だった。
でも、日本中でここまで流行ったのは完全に時の運でしかないのでクソ真面目に分析するなんてどうかしてるぜ。って正直思う。凄いんだからウケるのは当然でしょ。

あとオリジナルとして組み上げたって意味では煉獄さんの炎の呼吸だけじゃなくて、魘夢の最終形態におけるアクションとかもほぼオリジナルですごい。列車という拡がりのない閉鎖空間に縦の概念でキャラを動かすのはアクションゲーム並みの発想力だよな〜。本当にユーフォって10を100にする天才集団だと思う。

あと花江夏樹の演技も相当凄いけど、この作品に限らず花江夏樹自体が凄いのでやっぱ花江夏樹は凄いという感想になってしまう
ていうか声優陣に関しては完全に金で殴ってる感があって、もはや次の柱と鬼は誰やろかって予想する一種のゲーム性になってるのも演出として強い
声優オタク的には、柱はピッタリ合わせてきてる印象だけど、鬼は結構ズラしたチョイスが多めなのも面白いんだよねぇ

遊郭編、蕨姫の花魁パレードを予算マシマシで見たかったから映画でやってほしかったけどテレビでやるんだよね〜ちょっとだけ残念!
次の劇場版どこでやるのかな〜って楽しみにしてます
きまぐれ熊

きまぐれ熊