スピードスター

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のスピードスターのレビュー・感想・評価

4.2
原作は未読ですがアマプラでTVシリーズは視聴済み。

TVシリーズ版鑑賞時に度肝を抜かれたビジュアル先行のアクションは更にクオリティを増し、それを見たいが為に何度も劇場に足を運びたくなりました。
今回特に期待していたのはシリーズ通して1番カッコ良かった我妻善逸の見せ場『霹靂一閃』をどう見せてくれるかでしたが、正直打ちのめされました。その見せ方で来るか!メチャクチャカッコイイ(語彙力)

様々な家族の悲喜交々を潜在意識の象徴である夢を通して語る。そこに希望を感じれば感じるほど目覚めの後には残酷な現実が待っていて…。
「夢を見ながら死ねるなんて幸せ」
確かにな〜。なんて考えてみたり。

ストーリーのテンポもボリュームも申し分なく老若男女みな満足顔で劇場をあとにしていました。
アニメだからと敬遠する人は昨今少ないと思いますが、映画館のスクリーンで観てこその素晴らしい作品だったと思います。

だがしかし、TVシリーズ版を観ていた時から幾つか気になる部分はありました。
これらが劇場版でどうなるのか?も楽しみの一つでした。

以下は原作好きの方にはイラッとするレビューとなるかもしれないので先に謝罪しときます。



TVシリーズ版で残念だった部分。
ニコニコ笑顔で人間をなぶり殺していた鬼が死に際だけ改心すると言う取ってつけたような感動シーンには辟易していました。
一方劇場版は丁寧な伏線とエモーショナルな回収に「うまい!」と唸りながら感動する場面が多かったです。
時間の制約があるテレビ版と比較して人間ドラマがしっかり描かれており本作の強力な武器となっていました。素晴らしい。

二つ目の気になったポイントは柱の存在。規律の厳しい鬼殺隊の幹部なのに全員もれなく超個性的で話の通じなさそうな方々。
いかにも少年漫画的な佇まいの彼らの登場に正直白けてしまいました。

その中でも本作の主役、煉獄さんが強烈なビジュアルで眉毛が二手に分かれた上にド派手なヘアースタイル。
劇場版での煉獄さんに関わるストーリーはドラマティックで劇場内では啜り泣く声も多数聞こえていましたが、私の感動を邪魔する煉獄さんのビジュアルに何度も涙が引っ込んでしまいました…。
これについては単に個人の感受性の問題ではありますが煉獄さんファンには申し訳ないので心の中で謝っときます。

でもエンドロールのエンディング曲タイトル「炎」には涙腺ダムの決壊でした。

以上、思いつくままに綴ってみましたが、結果とても面白かったです。
鑑賞席の予約にかかった時間も、劇場に入るまでにかかった時間も過去体験した事がないレベル。
体感的な熱狂度合いは『千と千尋の神隠し』を超えていた様に思います。
歴史を塗り替える作品になるかもしれないですね。