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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のフラットラインのレビュー・感想・評価

4.0
原作未読。アニメシリーズは2周鑑賞済み。

テレビシリーズありきのアニメでよくある「前回までのあらすじ」を省いてくれたので、導入部分のリズムがとてもよかった。視聴者が全26話を観ていることを前提に作られているなんてとても強気な気がするが、それでもこれだけヒットしているのだから「鬼滅の刃」ブームはすごい。

さて、映画ですが。

アニメしか見ていない自分は煉獄さんへの愛着はなく、むしろ「この人は禰豆子を殺すことについて真っ先に賛同した人だ」というイメージだったのでマイナスに思っていました。それが最後に猗窩座に倒され、自分の想いを炭治郎に託す姿に涙するようになるぐらい、私の中で煉獄さんが成長するなんて・・・。駅弁を「ウマいっ!!ウマいっ!!」と喰う煉獄さんの登場に一抹の不安をかんじたものの、それからの炭治郎たちとの会話に「この人はただまっすぐな人だったんだ」とすっかりその人柄に惹かれてしましました。無限列車編は煉獄さんの映画だと思っています。

R.I.P煉獄杏寿郎

アニメとしての出来がものすごくよかった!!新海監督の作品は「秒速5センチメートル」の頃から好きで、アニメの出来の良さでは「コミックス・ウェーブ・フィルム」が最高峰だよな。と思っていたのですが、それに匹敵するぐらいよくできていました。魘夢に乗っ取られた汽車の表現や、炭治郎たちの剣技のカッコよさに思わずため息が。「Ufotable」今後が楽しみな制作会社です(^^

泣きポイントが各所に散りばめられており、それが無理なくストーリーに乗っていました。
炭治郎が「夢から覚めたくない」と独白するシーンでは、彼がどんな思いでこの闘いに身を置いているかを想像して涙腺の堤防が決壊し、それからは「俺の家族を侮辱するな!」と夢の中で剣を振るう炭治郎に思わず声が出そうになるぐらい泣き崩れ・・・。煉獄さんの死の間際「煉獄さんのほうがずっとすごいんだ。強いんだ。煉獄さんは負けてない。誰も死なせなかった」という炭治郎セリフに思わず深く頷いていました。当然泣きながら。

炭治郎たちは煉獄さんと猗窩座の闘いに助太刀しようとしても、レベルの違いに手も足も出せなかった。悔しかったろうな・・・。次に会うときはこの悔しさをバネにきっと成長しているんだろうな。そんなことを思いながら映画館を後にしました。
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