せ

ラーヤと龍の王国のせのレビュー・感想・評価

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
3.0
Disney+に略。
オークワフィナがまじオークワフィナ。
もしも舞台化するならば是非ご本人を起用してほしいレベル。

ディズニー作品にしてはかなりシビアな話をしているのだがオチがあまりにもあっさりしているので何とも。
ナマーリとナマーリママの謝罪がひと言あれば良かったのだが。ううむ。

信じ合う事の大切さを伝えたいのだとは思うが、そもそも信頼とは互いに維持したいと思い行動し続けねば成り立たないものである。
しかし今作ではいくら裏切られようとも信じ続ける事を一方のみに押し付け続ける形で話が進む為、説得力がない。
そして裏切りというのは信頼関係を自らぶち壊す行為だ。
したからには自分で信頼回復の為に動かねばならないものだと私は思う。
また、相手が壊し続けてる関係を信じるのも果たしてそれは美徳なのだろうか。
「汝の隣人を愛せよ」「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」が根付いてる人にはこれが響くのかしら。全く恐れ入る。

百歩譲ってラーヤやラーヤパパの個人的な関係の話であればあれで良いのかもしれない。
だがこれは国家間の話なのである。
他の民衆が大人しく納得してくれるだろうか?
ファング国の皆さんは随分と信用を損ねてきた事が本編内でも描写されていたが。
少なくとも今もしもこの映画をウクライナの人々に見せ、「君達もまず君達の側からロシア人を許せ!信頼しろ!」と説得するのは無理だろう。
私も公正な対応は時として民衆の矛を納めさせる力を持っていると思っているので納得は出来なかった。

いつも通り美術面や曲、戦闘シーンの演出などは良かった。
『シュガー・ラッシュ オンライン』や『アナ雪2』辺りからどうもディズニーはストーリーに難があるし、諦めて原作ありの物を作る形に戻したら良いのに。
せ