スローモーション男

ブータン 山の教室のスローモーション男のレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
4.8
 めちゃくちゃ良い物語でした!!!

ブータンを舞台にミュージシャンになりたくて、やる気のない男性教師が、首都から遠く離れた人口56人の小さな村に赴任し、子供たちに勉強を教えながら成長していく物語。

すごくホッコリするのどかな映画ですが、普通の展開と少し違う箇所があります。
まず村に行くまでにかなりの日数が必要でそこを描くのが長いです。
でも、それがあってこそ電波が繋がらずスマホが使えなくなったり、食事や睡眠そして宗教の違いなども感じさせます。

村に到着してからは、初めは嫌だった生活が子供たちと暮らすことで楽しくなっていきます。
ほとんど物資のない村に黒板や歯ブラシ、ギターなどを持ってくるのは交流を観れてすごく面白かったです。

村人たちと暮らすことで本来の人間性を取り戻していく主人公ですが、冬が来て帰る準備をしなくてはなりません…。

ラストはよくある展開と違い、珍しい終わり方で驚きました。しかし、それがとても良かった。
どんなに愛着が湧いても、自分の夢に突き進もうとする姿が描かれていきます。
「プラダを着た悪魔」のラストと似ています。

その村で経験したことを自分の将来に繋げる。
人に聞かせる歌ではなく、神様に聞かせる歌を歌った主人公に感動しました!
とても素晴らしい作品です!!!