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土曜の午後にのmaiのレビュー・感想・評価

土曜の午後に(2019年製作の映画)
4.3
ずっと会話劇なのに、映画始まってすぐに描かれる緊迫した雰囲気に一気に飲み込まれました。
「信仰」とは、守るべきものとして形を大事にすべきなのか?形は変わろうとも、その奥底に伝う心を引き継ぐべきなのか?
同じ宗教かどうかということが本当に大事なのか?
いろいろと思わされる作品でした。

土曜日という、本来ならみんながリラックスしているはずの昼下がりのレストラン。
嫌でも、あの事件を彷彿とさせます。
日本人をはじめ、外国人は皆殺し。
バングラデシュのシーア派かスンニ派かで更に分け、その中でも宗教的・文化的な価値観の微妙な差異から分け。
宗教とはいつから形だけ引き継がれるものと捉えられてしまったのでしょうか…でもその中でも、信仰心云々の前に、今までの祈りの中で培ってきた「宗教に基づく尊い人情」が少しずつ浮き彫りになっていきます。
そこに希望を見出せる…のかもしれません。
次の世代に継ぐべき信念や信仰が消えたわけではないと。でも一方で、その信仰を曲がった方向に導いてしまう同志がいることも確かで、その人たちからしても、自分たちの宗教や文化を尊ぶあまりという何とも複雑な話です。

宗教に基づく「信仰」における大切なものって何なのだろう?と問いかけられてるような気持ちになりました。
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