なお

夕霧花園のなおのレビュー・感想・評価

夕霧花園(2019年製作の映画)
4.4
阿部寛主演かー!上映期間があとちょっとで
終わるし観てみようかな。ぐらいの意識で
鑑賞したからなんの予備知識もなく来館。

作品としては、第二次世界大戦前後の
マレーシアで、謎の庭師中村有朋と
テオユンリンの恋愛を3つの時間軸で
展開していくラブストーリー。

やはり、戦時中を再現してるので、
時折目を背けたくなるような描写が
あって、観るのがとても苦しい。
同意のない暴力的な性行為は
とても醜いと認識させられた。

しかし、この作品の旨味としては、
単にラブストーリーという側面だけでは
なく、ミステリーとしても至極である点だ。

自分の中では、マグナスとエミリーの
馴れ初めの話には、ほのぼのとしたけど、
その中で、エミリーが
「私、動転すると我を忘れるの」
という何気ない一言があの事件のときに
回収されて最悪の結末に繋がるのは
とてもゾッとした、、。

これと同じような細工が至るところに
散りばめられていて、ストーリーに
厚みをもたらしていて充実した2時間だった。

しかし、マグナスは、ちゃんとした
馴れ初めが示されていたから、
納得するが、息子のフレッドの好みが
アジア人というのは、ちょっと気味が悪い。
ユンリンのことが忘れられないとしても怖い。

最後に、話は変わるが、周りの友人から
2時間以上もある映画を好んで観る
理由がわからないとよく言われる。

Youtube内で、10分程度の映像を
見慣れているために、そういうことを
思うのではないかと考えているが、
人の好みなのでなんとも言えない。
しかし、私もあなたを否定していないので、
わざわざ私を否定しなくてもいいのになと
感じてしまう。ま、こんなことを悩んで
いてもこっちの身を滅ぼすだけなので
気にしないことが得策である。
23年と短い私の人生で編み出した
私なりのライフハックだ。

今作はそんな悩みも吹っ飛ぶほどの
人生に実りを与える優しい一作だった。
映画が好きでよかった。