mamiKO

夕霧花園のmamiKOのネタバレレビュー・内容・結末

夕霧花園(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

公式サイトの阿部寛のコメント↓↓

監督から聞いた言葉でもありますが、悪者と善人を単純に描くという良くある戦争映画ではありません。
戦争で傷ついた心をもつ人物たちが愛を通して理解し、許し合うラブストーリーです。そこを皆様にはぜひ観て頂きたいです。

これがもうほぼ全て説明しちゃってるのですが。

戦争は自分は体験していませんし、この話も何処までがフィクションで何処までがノンフィクションなのかも正直分かりません。辛い、ショックなシーンが沢山あります。

ただ、これは戦争を背景に描かれた、ラブストーリー。
そこを心の真ん中に置いて、書きます。

借景
という言葉を初めて聞きました。
日本庭園を作る際、その庭の奥行、つまりその背後にある背景を入れて構成を考える、その事を借景、というそうです。
日本には四季があり、その背景も季節によって変わる。
これってかなりの事に置き換えられる事のように思いました。
この話の中では「時間を借りる」という表現もありましたね。
この2人も、時代背景が違えば、幸せに一緒にいられたでしょう。
でも皮肉にも時代が違えば出会う事も無かった。
一緒にはなれなかったけれど、2人は結ばれた、そしてずっと結ばれていた、言葉ではなく、寄り添うことでもなく、時間が経つことによって、それが分かるように、彼女の背中に、夕霧に、印を残してから去った有朋。その後山中で失踪したとされていますが、いつまでも彼女を思って静かに暮らしていることを願って。

戦争のない、世の中が来る日を願って。
mamiKO

mamiKO