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ある殺人、落葉のころにのtetsuのレビュー・感想・評価

ある殺人、落葉のころに(2019年製作の映画)
3.7
まもなく、元町映画館で公開されるということで投稿。

湘南・大磯地域に生きる若者たち。非行を繰り返す彼らと、その周りで起きた"ある殺人事件"。たちこめる不穏な空気は、どこへ向かうのか……。

驚くほど不可解で、良い意味で掴み所がない作品。

それゆえ、観賞後は頭の中に多くの疑問符が残ったけれど、それも含めて、貴重な映画体験だった。

独特なカット切り替えや、混乱する時系列、メタフィクション的な演出など、通常の映画文法からは逸脱する不思議な語り口が印象的。

観客一人一人の見方によって、「負の連鎖」や「閉塞した地方コミュニティ」、「震災のメタファー」や「創作の物語」など、捉え方が変わってくる部分が面白かった。

そういう点で、観客と映画との関係性を問う試金石のような作品なのかもしれない。


参考

神戸・元町商店街のミニシアター『元町映画館』
https://www.motoei.com/ 
(5/29~6/4 上映。気になった方は、お見逃しなく!!)

「映画を観た後は、現実社会に持ち帰って考えてもらいたい」『ある殺人、落葉のころに』三澤拓哉監督リモートインタビュー | Cinemagical シネマジカル
https://cinemagical.themedia.jp/posts/17196454/ 
(監督にリモートインタビューを行いました!観賞後に読むと、作品の見え方が変わってくるはず!!)
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