keecoliquorice

stayのkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

stay(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

何だか分からない場所や道具のようなものの超アップから、家の内部が見えてくると、
柱だけで、区切られてない、広い板の間。

雑然と、でもテリトリー分けしてるっぽく物がある。よくこんな家を見つけたなぁ、と古民家のありようにまず目を奪われた。

何者なのかも分からない、年代の違う男女が、どうやら勝手に住んでるらしく、そこへ、立ち退き勧告に役所の矢島(山科圭太)が訪ねてくる。

39分と短編だし、人物の背景も何も説明されないが、ルールやヒエラルキー、セクハラとかに辟易としてこの、〝誰のものでもないから誰でも自由に住んでいい〟古民家にやってきたのかなと想像させた。

そのなかで鈴山(菟田 高城)が、周りを自分のペースで動かし、リーダーのように振る舞っていて、サエコ(遠藤祐美)たちは不満そう。でも、彼らは、独善的に見えなくもない鈴山の采配や作業の恩恵にも預かってるわけで。

人が集まれば、こうならざるを得ないのか…やはり。でもまぁ、出て行くのも自由、ということで、1人減り、2人減り…。鈴山も好きでリーダー格だったわけじゃないのかも、なんて思ったり。

ところで、
山科さんは、これまで、調子のいい先輩とか、どちらかというと鈴山的な役柄を見ることが多かったので、いきなり見るからに真面目そうな顔つきにはハッとしました。

逆に、菟田さんは、信念を貫こうとするような役柄をいくつか見たので、これは、私はキャスティング的にも面白かったなー。

まぁ矢島は、考えてみれば、控えめそうにしていながら最初から、不用意で図々しい言動があり。

その先を「あぁ…」と予感させるラスト、面白かった。

あ、あと、サエコが矢島に「(鈴山の)奥さん」と呼ばれて否定も肯定も、何も返事しなかったのも面白かった。そう呼ばれて説明するのもうめんどくさいんだろな、きっと何人も担当が変わってはやって来て。


何度か観て、もっといろいろ観察したいなぁと思い、いろいろ知りたくてパンフレット買った。
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