Aya

ロストベイベーロストのAyaのレビュー・感想・評価

ロストベイベーロスト(2020年製作の映画)
3.2
#twcn

映画とは本当に一期一会。

前日に見た「アボカドの固さ」アフタートークになぜか今作主演の松尾さん、撮影・編集の米倉さんも登壇され、このアフタートークがまあ映画好きによるトークとしてめちゃくちゃ面白くて!

お恥ずかしい限りですが、それまで今作を存じておりませんで「明日、ちょうど来る予定だったんで、mid90sと行き止まりの世界に生まれてとはしごします!」と見に行った軽い女。
(しかも昼寝してmid90s見れなかった(T_T)映画館で見たいよお!)

正直、アフタートークに参加されていなかったら多分、見てなかったです。ありがとうございます。

※松尾渉平さん&中村瞳太さんの舞台挨拶の模様は下へ

あ、これ舞台が京都なんだ。

ダラダラ何でも屋として日銭を稼ぎながら介護士のガールフレンド凛子ちゃんのヒモをやってる陽平。

ある日、ヒモ陽平がオールから帰ってくると凛子ちゃんが赤ちゃんを抱えながら「持ってきちゃったみたい」とブランケットにくるまった赤ちゃんを見せてくる。

どうやら仕事中にショッピングセンターの駐車場に置き去りにされた?親が離れていたベビーカーに乗った赤ちゃんをそのまま連れてきてしまったよう。

どないすんねん!と至極常識を並べる陽平に対してヒモのくせにうっせーんだよ!と言い放つ凛子ちゃんはそんなこと言いながら自分は仕事にちゃんと行き、暇してる陽平に日中の子守を押し付けるが右も左も上も下もわからない陽平。

GGれカス!と突き放し出かける凛子ちゃん。
おそるおそる段ボールに入れて赤ちゃんと出かける陽平という奇妙な三人の生活をおったもの。

赤ちゃんはブランケットに包まれてるか、一瞬顔を出す動物園(東山んとこ)では人形ww
イーストウッドかよ!とツッコんだ次第ではあります。

この2人具体的にきちんと赤ちゃんの面倒を見てるかっていったら、そこの関わりの深さや育児の難しさ、ってか育児してるところはあんまり描かれないんですね。

てか角いっぱいあるし、赤ちゃんをテーブルの上に置いてる上、すぐ横で暑いお湯をカップに注いだり・・・浅すぎる。
当たり前だよね。
育児の知識も子育ての心算もこの2人には欠けまくりなんだもん。

いい赤ちゃんだね・・・夜泣きもせず、電車でも泣かず・・・。

この2人の住んでる家ってめっちゃ荒れてるんですよ。
狭い寝室に敷いた2つの布団も2つ折にするくらいでどこにも仕舞わない。
シンクには洗い物とゴミがたまったままで、キッチンとかねたダイニングテーブルには所狭しと食事に関係のないものまで出しっぱななし。

でも健康には気を使ってるのかヨーグルトは恵だし牛乳も飲むし(乳製品好きだねw)、朝食も夕食も生の食パンに納豆を乗っけて齧りつく。
あの、BOYSで食パンにシリアルかけて食べてるの思い出したし恋人たちの食パンonあっためてないカレーも思い出した。

なにか&生の食パン描写・・・ある意味流行ってるのか?
それとも本当に美味しいのか?!

気になったのが主人公の陽平くんは自分ちでも外でも開けてあるペットボトルから躊躇せずに飲むのね・・・誰が途中まで飲んでたのかわからないのに・・・。

ただ赤ちゃんがきたことによってこの2人の関係、というよりは凛子ちゃんは凛子ちゃんなりの変化がおき、陽平には陽平の変化が起きてそれぞれが赤ちゃんの面倒を見る、が生活の最優先になる。

陽平は何でも屋さんなので仕事には常に赤ちゃんを持参し、隙間隙間でミルクをあげたり、慣れないときには親しいおばあちゃんに知恵をかりたりかりんとうもらったり。

凛子ちゃんは少しづつ崩れてゆく。
この赤ちゃんを介して陽介との関係が新たに築かれ、3人で動物園(東山のな!「僕は明日、昨日の君とデートする」で福士蒼汰くんと小松菜奈ちゃんがいたのもここな!)に出かけたり、幼い時の夢を語ったり。

2人から3人になったことで擬似家族が一瞬形成されるのですが、刹那的で劇中「子供の頃お母さんになりたかった」と語る凛子ちゃんは赤ちゃんを手に入れて、陽平くんにも「いいお母さんになる」と言われるが実感が湧かない。

凛子ちゃんは赤ちゃんを「持ってきちゃったみたい」だけどそれで、お母さんになれないことを再認識してしまったんだと思う。
だって子供は女の体から出てくるじゃないですか?

それに比べてお父さんになった陽平は男だから子供を体から出すことはできないわけで赤ちゃんを手に入れるという意味では普通の家族と変わらないからそこまで深く考えることはない。

この2人の実感の違いをさらに認識させられたのが「持ってきちゃったみたい」な赤ちゃんの存在。

でも注ぐ愛情が2人に差があったか?
私には同じように赤ちゃんを育てようとしているように見えました。

だからこそ、ラストのあの展開になったのかな、と。

まさに学生映画!インディーズ映画!といった作品で、改めて映画の良さというのはクオリティではないな、と思いました。

あと、やっぱ造形大の映画学科はちゃんと教えてるんだな、とw
鈴木監督出てきたしw
超感じ悪いよ!
あのおっさん絶対本気で言ってたはず・・・クソなめやがって。

この映画を見た出町座さんが入っている升形商店街のよく行く衣料品店&ダイソーも出てきてw
あんなハンサムな店員さんみたことないぞ?!
売り場を見てて時期的に秋か春かな?と思いました。

ちなみに、あの大切な「待ってて」ってときに寝転んでいた道路は、府庁の近くの最近できたアレの前ですか?!


〜松尾渉平さん&中村瞳太さんの舞台挨拶〜

特に外国映画を率先して見ているわけではないのですが「あやさんてあんまり邦画見ないですよね」と言われたことがあって。

意識していなかったのですが、言われてみれば邦画は弱い・・・見たい作品はたくさんあるのですが、ぶっちゃけそこまで手が回らないのが正直なところです。

今作は3年前に作成されたものだそうで、監督の拓殖勇人さんは亡くなられているそうで・・・。

監督不在で舞台挨拶で今作についてお話ししたり、質問に答えたりするの大変だっただろうな。しかも京都造詣大学(出た!)の同窓生。
それを映画公開で説明するの辛かっただろうな。

今作に目をつけたプロデューサーの尾崎健さんにより、一般公開のお話が上がり、その際に撮影の米倉さんが再編集したものだそうです。

京都から始まり、東京、名古屋、大阪など様々な土地で上映し舞台挨拶をする中で様々なご意見をもらい、おふたりも改めて気付いた部分が多く、上映とともに今作はさらに豊かになっていったとのこと。

主演である松尾さんへの質問
「ファンタジックな描写について疑問に思ったり監督と意見交換などがあったのか?」
「台本にもそのまま書いてあるが、そういうものなのだと。現場でその雰囲気に身を委ねようと思っていたが、さすがある場面はシュールであった。しかしそのまま演じた」

そして帰り際にお話しされていた方が京都の他大学の学生さんが見にこられていたのをとても喜んでいらっしゃいました。

今やインディーズを超えて日本映画界一大巨塔の京都造形芸術大学。
これからも楽しみですね!

ちなみに本人にもお伝えしたのですが、主演の松尾さんはめっちゃハンサムです!
前日にお話しさせていただいたときは、大人しい方だな、という印象だったので映画で見た役者・松尾渉平さんは全然違いました。
なんとなく昨日よりハンサムに感じましたw(ナニソレ)

Aya

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