あらすじを読むと戦時中におけるシスターフッド映画かと思ったけど、女性間の分断が強調されている。
イーヤがのっぽでマーシャと目線が合わないことや、マーシャが終盤にサーシャの家族と食事をする際にサーシャの母親の対面に座ることで、構図でそれを示している。
兵士として国や社会のシステムに組み込まれていたマーシャは、自身とイーヤを結婚や出産という社会的役割の中に押し込めようとする。
どちらもその役割を果たすことはできなかったが、同時にその時に初めてイーヤとマーシャの間に絆が生まれる様を、二人の着てる赤と緑の服の入れ替わりで表現する。
ほとんど手持ちカメラで撮られたドキュメンタリックなタッチでありながら、抽象的な要素が有機的に結びついてる秀作。