そもそもダニエルは、いったいなぜ聖職者になりたいと思ったのだろう。
司祭になれない少年院を仮釈放された青年が司祭となり、敬虔な信者たちの住む小さな村で、司祭としての信頼を勝ち得ていく。
西洋社会での教会の権威は、まだまだ強いものがあるのだろう。
しかし、その関係性が有効的な力を持っているかについてはよく分からない。 権威主義的な価値観の中で、色んなことが形式化されているような気がする。
そんな中でのダニエルの行為は、より根源的な宗教の力を感じた。 それは原始キリスト教におけるイエスが行った行動のように。
その村で起きた交通事故の加害者とされる家族に送られた被害者からの手紙、いったい何が書かれていたのか気になる。それに深く傷つく加害者の妻。 ここでもやはり一番怖いのは人の心だと思った。
ダニエルのデモーニッシュな顔つきが印象的だ。