風来坊

ロンドン・バーニングの風来坊のレビュー・感想・評価

ロンドン・バーニング(2019年製作の映画)
3.5
オリンピックなんてお金の成る木で利権の塊と思っているから別に驚く話ではありませんね。
オリンピックに絡む地上げがきっかけにはなっていますが、オリンピックどうこうは冒頭だけです。

事実を基にしたとの事ですがかなりの数の死人が出ていますし、政治や司法にも食い込んでいる規模の大きな悪行ですから、全て事実だとしたらもっと世界的なニュースになっていたんじゃないかと疑問。かなり脚色したんじゃないかなと思いますね。これが全て事実ならロンドン終わってる…。

主演の人って「ハンガーゲーム」のフィニック役のイケメンですよね。
元ボクサーで受刑者という役なので悪に見せる役作りだと思いますが、随分とイメージが変わるものですねぇ。
犯罪組織のボスが悪として良いキャラクターをしています。痩せぎすの病的な見た目とは裏腹に隠せない残虐性。部下にやらせるのではなく、自ら手を下す時の冷静さと冷たい目は強烈。

クライムバイオレンスは韓国映画は底抜けに暗いけれど、イギリス映画の薄暗い感じの雰囲気が好きですね。
ヒリヒリするような硬派な感じの展開は好きなのですが、クズばかりで唯一の希望の警察もやる事が悪どく腐ってるしで嫌になって来ます。妙に人間味があるクズばっかなので余計に心にダメージが…。特にあの女は…許せん(°Д°)

事実を基にした割には事の顛末が描かれておらずモヤモヤしてしまうのがマイナス。結局何も解決していないので事件物としては出来損ない。
顛末がどうなったのか気になってググっても何も出てこないんですよね…。
悪が主導権を握り過ぎて私は途中で嫌気が差してしまいましたが、巨大な悪の前での微々たる抵抗と裏切りそして暴力。そんなお話がお好きな方ならハマる映画と思います。

まとめの一言
「悪党のさえずり」
風来坊

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