夫は5年の間1冊の本も出せないスランプ作家。妻は海外進出できるならお色気シーンもいとわない野望マンマンの女優。
モノクロの映像はスタイリッシュで、のっけからブラックユーモアに溢れている。ベルイマンの「ある結婚の風景」のアバンギャルド版という感じがして期待が高まった。
確かに最初は痛々しさに笑えたんだけども。
話が進むにつれてぜんぜん笑えなくなっていた。
自分の欲望のためには何ひとつ犠牲にできない女。
プライドと僅かな良心を海の彼方に捨てさった男。
結局全部失わないと気づけない愚かな者たちに、ラストでは救いを残している。
でもこのむかつきを払拭するには時すでに遅し。