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ドロステのはてで僕らのhynonのレビュー・感想・評価

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)
3.8
過去にとらわれることなく、未来に逃避することなく、本当にいまを生きることは難しい。

ちょっと複雑な時空の話。を分かりやすく、コミカルに。
70分できれいにまとまった、ほのぼのSFコメディ。
後半の30分が特におもしろい。

小劇場のお芝居のような。独特のクセと熱量がある。

未来を知ることに意味はあるか?
知った未来にとらわれずに生きられるか?
過去も未来も言い訳にすることなく、いまだけを生きられるか?

自分も子供の頃、かの大予言を信じて地球はもうすぐ滅亡すると思って生きていたので、わかるなぁ。
滅亡しなかったときはちょっと焦った。

カフェのマスターは、時空の辻褄を合わせるよりも、「いま」を大切にすることを選んだんだね。

いまを変えれば、未来も変わる。

なんとスマホで撮ったという撮影技術や、巧みなストーリー展開もさることながら、哲学的にもなかなか深い話でした。

とはいえ、複雑な時空理論よりも、シュールで奇抜な展開よりも、ふたりでただ普通に雑談してるシーンがいちばんいいなと思った。
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