監督 :
山口淳太
脚本 :
上田誠
出演者 :
土佐和成
朝倉あき
藤谷理子
石田剛太
酒井善史
角田貴志
中川晴樹
永野宗典
本多力
正直言っての感想、
かなりハイグレードなアイデア勝負の傑作!
この後ネタバレしますので、まだ鑑賞してない方は鑑賞後レビューをご覧ください。
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物語は、
ある日の夜、仕事を終えたカフェの店長カトウ(土佐和成)が、店舗が入っているマンションの2階にある自宅でギターを弾こうとしてギターのピックが無い…部屋においてあるモニターから彼を呼ぶ声が聞こえてくる。そこに映し出されたのはもう1人のカトウ。モニターの中のカトウは、自分のことを2分後の未来のカトウだと言い出すが…カフェの店員アヤ(藤谷理子)、カフェの客コミヤ(石田剛太)オザワ(酒井善史)タナベ(諏訪雅)、隣の理容室の理容師メグミ(朝倉あき)など近隣、店員、お客がひょんなことから騒動に巻き込まれる…
今作の冒頭での感想は、
映画なのに 35 or 16ミリフィルム撮影じゃあねえ…なんだこの無機質な画(映像)はと思ったところ、ラストのエンディングロールの撮影風景映像で答えが出た…
スマホiPhone12、13、14のどれかだろうと思われる動画撮影をしてるではないか…
※劇中のカフェのマスターのカトウ(土佐和成)の自室のモニターがApple製品なのはそういうことね🤔
シンウルトラマンでもシン・ゴジラでも多様されていたあれですよ…
まぁドロステは全編がスマホ動画映像なので、途中から映画フィルムに切り替わるシンウルトラマン、シン・ゴジラよりは違和感がないが…
今作鑑賞されたかたは分かると思うが、一発撮りのワンカット風(実際はカットがある)のマンション全体と言う意味でワンスチュエーションなので主人公に対してカメラが逃げることはない…ずっと付きっきり、ストーカー行為なのである…しかも役者の合間を縫って撮っている…何て撮り方してんのよ…
部屋の中と部屋→部屋への撮影のため狭い場所の移動が絶え間なく起こる…この撮影場所だと映画用カメラではそうもいかなくなる…この奇抜なアイデアだからのスマホと言える。
スピーディーな展開が生まれるスマホ撮影での相乗効果で微量な臨場感と緊張感が発生して物語の後半のヤミ金業者の下りに対して発揮している。
⚠あと台詞が気になる問題…
たどたどしい台詞がかなり今作は目立ているが“これ”は過去、未来の自分に対してのモニター越しの対応のリズムを測っているものと考える。
どういう事かと言いますと、
2階 ━━━
店長自宅 📺 2分後が映し出される
━━━
1階 📺 2分前が映し出される
カフェ ━━━
このモニター越しに2分後と2分前とのモニターの相手に合わせてセリフを言わないといけない。モニターに映し出されるのは前もって撮影された自分自身だから数秒から数十秒遅れるとモニターと噛み合わなくなってくる。そう言う事でセリフ&動きも、きちんと決められた秒数で熟さないといけなくなる。かなり気が遠くなる作業…
更に話の途中で2分後と2分前のモニターを対面させてドロステ効果を発生させるシーンになると更に更にセリフ&動きに難易度がアップされる…
どういう事かと言いますと、
📺📺📺📺📺 📺📺📺📺📺
モニターの中にモニターが映り込み、更にモニターの中にモニターが映り込む…またそのモニターの中にモニターが映り込む…無限に…上記のような状態になる。
2分後のモニターの中のモニターは2分後の2分後なので4分後となり、2分前のモニターも同じ現象になる。
どういう事かと言いますと、
📺📺📺📺📺 📺📺📺📺📺
〜 10 8 6 4 2 2 4 6 8 10〜
分後 分前
考える事は簡単だが苦労も全部含めて映像にしょうって…考えただけでも頭おかしいよ…
⚠あとテレビモニター電源コード問題…
テレビモニター電源コードが5階のヤミ金業者の事務所まで延長コードの継ぎ足しで用意されているって言い訳に苦しい…
本当にラストこの伏線を回収してもらえるものだと思って待っていたが…
回収されずで終了…
チーン…
素人が考える事なので何ですが、脚本家の上田誠はプロですから同じ事を考えていたと思いますが、モニターからモニターへと共有(シェア)移動させてしまえばテレビモニター電源コード問題も解決できように…
要はモニター移動できるよにしてしまえばいいってこと🤔
どうやって移動させるかというと、スマホを2分後のモニター(2階)にかざす、スマホに画像が移動し元あったモニターは黒画面へ。1階のカフェに移動し黒画面のモニター(2分前以外のモニター)にかざすと画像が移動。この原理で5階のヤミ金業者の事務所に行く際も同じ。わざわざ長い長い延長ケーブル付けての5階までモニター運ばなくても済む。
疑問に思うのは何故そうしなかったのか?
他に理由が浮かばない…
浮かんだ人はコメントにどうぞ☺️
ただ1つ思えるのは滑稽に見える方を選んだ🤔テレビモニター電源コード長いよは承知の上でそれを込みで笑ってくださいね☺️
そう言いたいのかなぁ☺️
まぁ〜あーだこーだ言っとりますが
分かりやすく☝️
直ぐに現在、過去、未来の映像の答え合わせができ(2分前、2分後、ですからねぇ)☝️
かなりの傑作☝️
同じヨーロッパ企画で脚本 : 上田誠の
サマータイムマシン・ブルース(2005年)
監督 : 本広克行
は、現在、昨日、99年前、に行ったり来たりするのだが、現在があっての→過去変→現在なので伏線回収は直ぐにではなく本編の数十分経ってからになる。場合によっては分かりずらく、立て続けに再鑑賞した際に遠目のあそこにいるなぁとか、この場所に隠れてるはずなんだよなぁとか、過去シーンでこいつは現在人なんだよなぁとか、答え合わせが直ぐにしにくい…
なので上映時間107分 x 2 =214分、見ないといけない…
あー…
サマータイムマシン・ブルースの欠点を補って分かりやすくした作品が“ドロステのはてで僕ら”何ですよ☝️
まさにサマータイムマシン・ブルースの1.20バージョンアップと言えよう!
整合性を考える
よく練られた構図と演出
スタッフ一同
気が狂いそうなくらい大変な撮影だった…
そんな全ての
ドロステのはてで僕ら
に脱帽です
最高でした
👏👏👏👏👏👏
余談ですが、
詳しく撮影風景知りたい方はYou Tubeのヨーロッパ企画【公式】チャンネルの「ドロステのはてで僕ら」はこうしてつくられた、で撮影風景約18分動画が出てるので是非!