はい

ドロステのはてで僕らのはいのネタバレレビュー・内容・結末

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

史上最小のタイムトラベル(?)映画。
パラドックスへの多少の気掛かりはあるにしても基本自由に動き回る従来のタイムトラベルものとは違い、本作はとにかく2分の制限にがんじがらめ。2分でできる範囲でとにかく得をしたいとはしゃぎながらもパラドックスが起きてはならないと律儀に辻褄を合わせ続けるキャラクターたちが可笑しかった。ただ1人主人公だけ、不確実なはずの未来が確実性を持ってしまうことに怯えているという対比が絶妙だった。そんな彼がヒロインの危機には助けに行くと断言し、武器だけが増えて先の見えない状況下においても堂々としている姿はさながら勇者そのもので、ギャップに魅力〜と思った。

シンプルな設定ながらこの設定のもとストーリーを組み立て完成させるのは本当に大変だったと思う。脚本も演出も撮影も全て緻密な計算の上で成り立っていて、私が当事者なら発狂してしまうだろうな…
加えて小規模撮影だからこその組の一体感みたいなものがエンドロールのなかから感じられてこちらもグッと刺さった。(単純に階段が狭いという理由からかもしれないが)キャスト自らコードを持ってカメラを追いかけたりみんなでiPhoneの小さなモニターを見ながらニコニコ喜んでいる様子はキャスト・スタッフの垣根を越えてひとつの作品をつくる同志なんだな、と…
高校生の時に観ていたら大学で本気で映画撮影に臨むきっかけになっていたかもしれない。もっともっと日本中で公開されて、若い世代のモチベーションとなる作品になってほしいです。頑張ってください!
はい

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