ノラネコの呑んで観るシネマ

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
深い森に住むガードナー家の庭に、ある夜隕石が落ちる。
それは怪しい光と奇妙な音を放ちながら、周囲の動物や植物を作り変え、次第に一家の人々を狂わせてゆく。 
ケイジ案件だし、キービジュアルはC級然としてるし、あまり期待してなかった。
だがコレはなかなか。
侵略SFとしても、ラブクラフトの映像化としても上出来の部類。
原作の「宇宙からの色」に影響を受けた作品は「アナイアレイション 絶滅領域」が記憶に新しいが、あれは現代のハリウッド映画として相当にスケールアップしていた。
対してこちらは時代設定こそ21世紀だが、プロットはかなり原作に忠実で、世界観がこじんまりとしている。
ビジュアルは低予算なりに頑張っているのだが、いい意味で原作のムードを損なわず、B級SFとして楽しめる作品になっているのだ。
原作のような一人称テリングの方がより効果的だったとは思うが、小さい話だからこそお馴染みケイジの狂気芝居が映える。
彼はこういう作品で自分が一番生きるって知ってるんだろうな。
演技のバリエーションは無いけど、ムッチャ魅力的だよケイジ!