<真実の一滴に恐怖が器から溢れるようなストーリー>
SNSを題材にした映画だから興味があるな、面白そうだなと軽い気持ちがきっかけで観た映画。
そんな軽い気持ちを諫めるかのような、練りに練られたストーリーで最後の知らされる真実は誇張無しに驚愕です。
50歳を過ぎた主人公クレールが年下の彼氏に振られたのをきっかけに、Facebookで24歳のクララと偽り、若き写真家アレックスと「出会い」、ゆがんだ恋愛にのめり込んでいく様子をスクリーンで追うにつれ、自分はストーリーにどんどん引き込まれていき、目が離せなくなりました。
映画の終わりにクレールが衝撃の真実を告白すると、まさに映画の謳い文句のとおりパズルの最後の1ピースが当てはまり全てが明らかになります。でも私にとってクレールの告白はパズルの1ピースというよりも表面張力でぎりぎりあふれていないコップに落とされた最後の一滴のようでした。
その瞬間、コップから水が溢れ出すように、これまでのクレールの行動の背景が分かり、驚愕の真実に対する恐怖がぞわりと
自分の内から溢れ出してきました。
なぜ偽りの自分の写真にその女性を選んだのか、そもそもなぜ四半世紀も年下の彼氏を作ったのか、最後の真実を知ることで全てに合点がいくようなストーリーです。
最後の描写は観る人によって解釈が分かれるので、その点も良かったなと感じてます。
なんだかんだ初めてしっかり観たフランス映画。トラウマになりそうなスリルでした。