ベンジャミンサムナー

ようこそ映画音響の世界へのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)
4.0
 映画の映像演出についての本は何冊か読んだことあったけど、たしかに映画の"音響"にフォーカスして語られる場ってほとんどないよなぁ。

 序盤に『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸シーンの話を持ってくるあたり、作り手が映画好きが音響について知りたがってる所を分かってるなと感じた。
 個人的には、『ヒート』の銃撃戦の音響の話も聞いてみたかった。

 まず台詞を喋り、そのイントネーションを元にR2-D2の電子音を作った話や、『トップガン』で実際の戦闘機の音だけじゃ迫力に欠けるからSEに動物の鳴き声を混ぜたという音響の妙技に舌を巻く。

 屋外で撮影した映像に後から録音ブースでアフレコするのは知ってたけど、群衆のシーンの声を同じ環境で別撮りする事にも驚いた。

 人間が最初に感じる五感が"聴覚"。
だから音響が与える印象の大きさは計り知れない。
 映画の楽しみが拡がるドキュメンタリー。