Oscar

ようこそ映画音響の世界へのOscarのレビュー・感想・評価

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)
3.9
映画の見方が180°変わる1時間半。
まさに映画音響の博物館を巡ったかのような高揚感。
今から30年も前の荒っぽいキングコングも、あの自主制作の恐竜映画も、映画音響の観点から見れば今の映画と製作の観点では一切の違いがない、というのはなんとも感動的。
スターウォーズがいかに当時の映画業界を根底から救ったのかというのは薄ら知ってましたが、音響の世界からも革新的な一作だったというのはなんとも………
ルーカスにはノーベル平和賞でも叩きつけたらいいんじゃないんですかね。

地獄の黙示録が初の5.1chサラウンド成功映画的な感じの紹介になってたのはちょっと疑問。
でもプライベートライアンとフューリーと合わせてこの三作品が音で観客の度肝を抜かすような戦争映画の基盤を築いたんじゃないかなって思いましたね。
プライベートライアン、まだちゃんと見た事ないから今度ちゃんと見よ。

ブラックパンサーって公開当時あんまり面白くなかったなーって思ってましたけど音楽的な観点から見たらクラシックと民族的な音楽を上手いこと融合させた革新的な音楽作品って知って株が爆上がりしましたね。
って、昨日の今日でタイミングでまた悲しみが込み上げてくるわ。
謹んでご冥福をお祈りします。


なによりも最後の最後で様々な音の調節をするミキサーが映画の指揮者的な立ち位置でその作品の面白さを支配しているっていうのを知れただけでもこれからの映画の見方がグッと変わりそう。
エンドロールでよく見るADRっていうのも意味も知れたしね。

ラストの怒涛の感動シーンメドレーはズルい。
いかに僕たちが今まで音と共に感動していたのかに気がつく幸せな約1分間。

『瞬間は永遠になる』


いやぁ…………
映画って楽しいねぇ…………
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