おふとん

白頭山大噴火のおふとんのレビュー・感想・評価

白頭山大噴火(2019年製作の映画)
3.9
韓国発ディザスター映画。

この規模の映画をしれっと撮れてしまうからやっぱり韓国映画はすごい。
ハリウッドレベルとは言わないけど、もはや日本映画が逆立ちしたって敵わないレベルの特撮とアクション。
中身は、火山が噴火して大変なことになるという、よくあるディザスタームービーなんだけど、中国と北朝鮮の間にある山という何とも地政学的に絶妙な場所をチョイスしたのはうまいなーと思いました。

そこに韓国映画らしく、コメディや家族愛を盛ることでハリウッド映画との差別化もできてるし、素直に面白い。

核を運ぶミッションなのにいざこざに巻き込まれて段々装備が貧弱になっていき最終的にタクシーで特攻していくとことか、コミカルなのにやけに熱い。

演技で言うとやっぱりイ・ビョンホンの存在感はすごいですね。あと、韓国映画と言えばお馴染みのマ・ドンソクですが、今回は後方支援なのであまり活躍が見れなかったのは残念かも。

北朝鮮が舞台ということで相当攻めた内容になるかと思いきや、冒頭でトップが全滅して無政府状態になるのはさすがに扱いが雑すぎて笑う。完全に被害者でした。
ハイエナのように北朝鮮の領土と核に群がる中国や、朝鮮を見捨ててさっさと撤退しようとするアメリカは、風刺が効いてていいなーと思いました。

重厚なBGMといい、やけに怪獣映画的な見せ方をしているのも印象的でしたね。
核を巡って口出ししてくるアメリカとそれに翻弄される国という構図で、「シン・ゴジラ」を思い出しました。
日本映画のリアリティラインで現代の自衛隊と米軍が戦うことは万が一にも有り得ないんですが、韓国映画では韓国軍と米軍が戦っちゃうんだなっていうのが、面白いですね。

まぁ家族愛にミリタリーにバディ物の要素まで入れて欲張りすぎるだろ!とは思いましたが、脚本が上手いのかあまり粗は気になりませんでした。

ここ最近の韓国映画ではかなり好きな方かも。
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