リコリス

白頭山大噴火のリコリスのレビュー・感想・評価

白頭山大噴火(2019年製作の映画)
4.6
絶対、映画館で見ないと!!(もっと上映館増やすべき)。10世紀の噴火で東北まで火山灰、という白頭山。富士山だって、いつ噴火することか。参考になります。

というか、アラは多いけど(大体、アレをタクシーみたいな無防備な車に乗せて揺れる道なき道を火山岩を避けながら噴火山に向かうとか、まあ、ご都合主義満載ですが)スピード感と、ぶっ込んだ脚本の面白さと、主演三人をはじめとする役者陣の巧さで、文句無し。

結局、父親としての責任をビョン様がキューティプチである相棒ジョンウ兄に託すバディ家族愛ものを、本格デザスターと政治サスペンスを絡めて背景に。プリンストン大の教授コスプレ姿マブリーも最高キュート。

酸っぱくて甘いお菓子(こういう数々の小ネタの回収が素晴らしい)を娘を想いながら噛みしめたり、装甲車の後ろから目だけの登場が怖かったり、ビョン様は「オール・イン」の頃から、どんなにきたなく汚してもスター。「チュオクの剣」、確かにみなが死んでゆく想定以上の終わり方でしたが、こちらは関係者がほとんど死なないので、安心して見ていられる(褒めています)。笑いのシーンがあるのも(要素的に嫌う方もいるでしょうが)緩急自在で助かります。

でも、さりげなく韓国とアメリカ、中国の関係性が見えて、島国「シン・ゴジラ」と比べると陸続きで北とは休戦中、徴兵制のある韓国…。在韓米国民だけをさっさと避難させる描写はアフガニスタン既視感。それに北朝鮮の人々の佇まいや顔つきの描写のリアリティ。要所を押さえ手抜きが無いので、ハリウッド・デザスターのチープ感は無し。

そして結末が南北統一復興でカン教授の再生可能エネルギー開発。2019年の年末封切り。これが韓国の初夢なのね。あのころはマスク要らなかったな。お正月大作として見たかった(観客が少なく勿体ない…)。
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