傑作でした。今年ベスト級。エンドロールで涙があふれてきて、ボロボロ泣いた。
デビュー作である前作『イロイロ ぬくもりの記憶』が数々の賞を受賞し、そのプレッシャーのなかの5年ぶりの新作という。しかも前作では母子だった二人が教師と教え子の役で出演という。どういうキャスティング!?
これまた佳作だった『恋は雨上がりのように』の性別逆バージョンのよう。
始まって30秒でこれはもう絶対にいい映画と確信。とにかく美しく、中の人物が生きている。細かな心理描写やハッとする絵づくりが本当に巧み。
ドリアンを最初に食べるシーン、そして雨のなか抱き合うシーン、ひとときの恋はやがて青春の思い出に変わる。抑圧されてきた女性教師も今までの呪縛から解放され、照らされるその顔は晴れ晴れとしていた。
永遠に変わらない愛はあるけど、変わってしまう愛もある。素晴らしいな…
あとお祖父さんがほっこりさせてくれた。もしかしたらお祖父さんがあの家の守り神だったのかもしれないな。