はちわる

KING OF PRISM ALL STARS プリズムショー☆ベストテンのはちわるのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

プリティーリズムシリーズから今作まで、通底しているテーマとして「心のきらめき」というものがある。それは作中でも何度も「プリズムショーは心の煌めき、プリズムジャンプは心の飛躍」と言われていることからも明らかだ。
とはいえ、僕らはプリズムショーを見て、嬉しくなったり、ドキドキしたり、感動して泣いたり、大笑いしたり、狂気に飲み込まれたりしてきたのだけれども、こと「心のきらめき」についてはそのはっきりした輪郭を捉えることができないまま「心がきらめくなぁ!」などと言っていた。

今作は2022年1月18日現在、プリティーリズムオーロラドリームから連綿と続くプリティーリズムシリーズの最終作にあたる。
と同時に、プリティーリズムシリーズ3作目のレインボーライブのスピンオフであるKING OF PRISMシリーズの「現状」最終作でもある。
(「現状」としたのは、絶対にまだまだ続きが見たいという心の表れのため。エイベックスさん、タカラトミーさん、タツノコプロさん、何卒よろしくお願いいたします)

『KING OF PRISM by PrettyRhythm』公開時、作品から発される情報量の多さと快感を称して「浴びるシャブ」とされていた。その「シャブ」の核を担うのがプリズムショーだ。
今作はKING OF PRISMシリーズで出てきたプリズムショーのまとめ映画となっている。いわば純度の高いシャブ。なんとなくクリスタル。
なんとなく素晴らしいものだとわかってはいたけれど、結局その実態が掴めていなかった「心のきらめき」。
今作で暴力的にまで浴びせられるプリズムショーによってシャブ漬けにされることで、圧倒的にその本質をわからされてしまった。

ストーリーとしては至極単純で、ランキング形式でプリズムショーのベストテンを発表していく。それだけ。ランキングは実際にKING OF PRISMファンによって投票されたものが集計されたものだ。
実際に僕も投票している。投票先は本当に本当に本当に悩んだ。政治の選挙の100倍くらい悩んだ。
なにせ、すべてのスタァに、そしてすべてのプリズムショーに思い入れがある。
僕はノンポリ箱推し無限ハグエターナルな人物であるため、かなり投票先を迷ってしまったが、それぞれのスタァ(ショー)に熱烈なファンがいて、彼らに人生を救われ、救われた人生をかけて投票しているファンがいることもわかる。
人生のかけ合い。それってつまり愛じゃんね。
ランキングという優劣はついてしまっているものの、その実、今作はみんなで紡いだ愛のかたまりなのだ。

そうだった。そういえば僕は(僕らは)、かつて彼らと来世まで続く永遠の愛を誓ったのだった。
でも僕らが生きる世界線の「永遠の愛」なんて、まあ、たとえその時は本気で誓っていたとしてもだ、時間や感情の流れで虚が混じったり、失われてしまったりするだろう。
大人になるにつれて、愛というものを真正面から信じることが難しくなっていった。
それでも、心のどこかでは愛を拠り所とし、不安な気持ちを抱えて眠る毎日だ。

だけど愛はそこにあった。それはプリズムスタァたちが繰り出す圧倒的なプリズムショーであり、それを支えてきたみんなの応援だった。
打算も駆け引きも絶望もない、まぶしくキラキラと光る、真っ直ぐな愛。
言葉にするのは難しいけど、あえて言葉にするのであれば、それこそが「心のきらめき」なのだと思った。

心のきらめきが足りていないあなたへ。KING OF PRISMを見てください。
推しができたり、できなかったり、ハマれたり、ハマれなかったり、色々な人がいると思うけれど、今作栄冠の第1位は、みんなどこかで納得のいくものではないかと思う。

それを見届けてもらうためにも、もう一度言います。
『KING OF PRISMを観てください』。

以上、シャブ中からでした。
はちわる

はちわる