キレイで静かな映画だった。
アリゾナのどこまでも続く広大な砂漠。
モニュメントバレーの光と影。
淡々と物語は続く。
パキスタンから妻を取り戻しに来た中年男。
謎のお洒落バックパッカーの日本人、オダジョー。
そして、閉塞感を抱いているアメリカ人女性。
三人が出会い、4日間を過ごすロードムービー。
ヒトコトで言ってしまうと、オダジョーのPVのようだった。
だって服装が「THE・オダギリ」ってカンジで。厚底靴がいかにも(笑)
9・11後のアメリカの描写があまりにも凡庸。
妻に捨てられてしまった鬱憤(なぜ、そうなったかの描写は希薄)を
「アメリカが俺の家族を壊した」と言ってしまう、アリ。
ま、伏線として↑に書いてあるように
イロイロなエピソードが織り交ぜられているのだが。
それに対して「本当にアメリカだけのせいか?」と問う、テッペイ。
そして「そんなアメリカ人」なサラ。
三人が仲直りする時、アリに小さい子が小石を投げるシーンがあったのだけれど、
「え、こんな小さい子まで差別・・・?」と、早合点してしまったが、
実はとてもかわいらしい描写だった。考えすぎ(笑)
表面的な表現は抑えられ、観客に「考える」ことと「感じること」を
委ねられている内容。
テーマは結構、深くて重い・・・のか?
・・・個人的に感じたこと。
●3人ともタバコ吸いすぎー。
特にサラのベットで吸ってているときは「灰皿はっ!」と
ツッコミたくなったほど(笑)
●それにしても、男って優柔不断(笑)
●ラスト、それでいいのか?
●ココロがささくれている時に観るにはいいかも。特にラスト。
オダジョーの演技には残念ながら煌きは感じられなくて、予告編「ゆれる」に期待。
でも、演技的によりオダジョーらしさが光るのは、
「パビリオン山椒魚」だと思う。大期待。