LalaーMukuーMerry

カサブランカのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
4.2
誰もが知っているいにしえの名作(1942)。初めて見たのは少年の頃、TVで。名作という評判だけを理由に見たのだけれど、第2次大戦の頃パリがドイツ軍に占領されたことも知識になく、まして男と女のことも何も知らないウブだったもので、急な話の展開と(ピストル突きつけたと思ったら直後に熱い接吻とか)、策略をこらす大人たちについていけず(リックとルノー署長)何が何だかわからない。ラストで飛行機が飛び去っても何の感動もなかった(これで終わり?)、という残念な記憶。そのせいで永い間しっかり見直す気になれなかったこの作品。
          *
やっぱり見直しておこう、名作だもの
          *
イルザ(=イングリッド・バーグマン)が出て来るとそれだけでシーンが輝いて、有名なピアノの名曲♫As time goes by のおかげで作品の雰囲気が大人のおとぎ話のよう。
          *
今の私なら男と女のこともよ~くわかる(あたりまえ)。ふーむ、そういうことか!
          *
リック(=ハンフリー・ボガート)の野郎、無理してかっこつけてイルザ(と旦那)を逃がしてやったけど、あれは間違いなく後で泣いてますね(そこを見せては作品が台無しだし、ましてリックとイルザが一緒に逃げていたらもっと台無しだから、ラストはやはりこうでないといけない。後ろ髪をひかれる思いとか、自己犠牲を厭わない人に観客はひかれるのヨ。後で人知れず泣くシーンの代わりに、リックとルノー署長の友情が始まるという、如何にもご都合主義の展開でラブストーリーからレジスタンスの英雄譚に調子が変わってジ・エンドでした)
          *
当時は、いかにも自然な感じで、実は思いっきり無理してカッコつけるこんな男がもてはやされたのですね。ワイングラスを片手に、見つめられて言ってほしいですか?「君の瞳に乾杯!」・・・虫唾がはしるワ、と普段なら口走りそうな所だが、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンの二人に免じて許してあげる(←何様?)
          *
ちなみに、ここの部分の原文セリフは、“Here’s looking at you, kid” と聞こえたから、名セリフというより名翻訳でしょう。レンタルDVDの字幕スーパーでは「この時を永遠に!」だった。(そこは有名なのにして下さいよ!)