ジャッキーケン

カサブランカのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
3.8
古き良き名作。「素晴らしき哉人生」と同じ良い意味で普通な作品
「君の瞳に乾杯」という誰だって知ってるキザなセリフの元ネタであるこの映画は第二次世界大戦によって祖国を追われた人たちがアメリカへの移民を希望にしてフランスのカサブランカで出国ビザを得ようとする。ナチスに追われるヴィクターラズロとその恋人イルザラント、イルザラントと恋に落ちていたカサブランカの酒場の亭主リックブレイン、久しい再開も束の間ナチスがパリに攻め入ろうてしている。よくある戦時中に離れ離れになる系の映画かと思ってたら連合国への希望のために愛を捨てる恋のニューシネマでありながらもスパイ映画さながらのポリティカルな映画でただの名作だと侮っていると置いてかれる。100分の映画にしては情報量が多いし全編ほとんど室内による会話劇。リックが2人のために賭博をイカサマする正義と酒場にいるドイツ人がドイツ国歌を歌う中対抗してフランス国歌をみんなで歌い鼓舞する場面は無条件に胸が熱くなる
メロドラマの名作として声があがるが時代背景がわからないスイーツ映画好きの人が見たら「肩透かしを食らった」と言われそうだ。戦時中に作られた映画なのにプロパカンダが伝わってこないのが驚き。無意味な殺しが一切ないしあくまで恋愛映画として道がそれずに大衆を鼓舞していく力がある。無駄なプロパガンダは駄作を生む
この映画は万歳一辺倒ではないからこそ好感が持てる。
「ララランド」のミアとセバスチャンのテーマに明らかに影響を与えてる本作のピアノ楽曲が鳥肌モノです。