jonajona

カサブランカのjonajonaのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
5.0
名前は有名すぎて聞いたこと
あるけど、ラブストーリーだから
というだけで牽制してた本作。
駅前ビルのえっろいDVD屋さんの
脇にワゴンセール500円で売ってたので買っちゃいました。

めっちゃええやん…
というのが正直な感想(アホ)。

なによりこの監督の映画を観れたことに感謝。ストーリーの語り口やキャラの作り込み方・関係性が面白くてずっと興味惹かれて観れました。すごい。

まず出国できずアメリカに帰りたくても帰れなくなった人たちが残留してる、戦時下の都市カサブランカ。
っていう舞台立てが結構複雑だと思うけど、舞台を主人公のバーに限定して様々な登場人物が各々に繰り広げる会話の節々でどういう世界で・誰が力を持ってて・誰と誰は仲良くて・主人公はどういうやつで経歴は謎で…と話がまざまざ見えてくる。

アメリカへ帰れない諦観や、高値で取引される闇出国ビザの話や、男と女の痴情のもつれやら『人がここで生きてる』感じを醸すのがとても素晴らしいと思います。
その中に生きる2人の(3人の?)時間制限のある恋模様だからこそ輝いて見える仕掛け。圧巻されました

白黒映画ってカラーがない分、陰影や画面上の構図の美しさとかに半端ない。
メロドラマかと思ってたら、戦争中のハードボイルドものに近い雰囲気でした。
見ず嫌いはダメですね。

君の瞳に乾杯、ってこの映画のセリフなんだと驚き。たしかに彼が言うと違和感ない。2人が居合わせた時に、ずっと聴きたがらなかった思い出の曲を当て付けみたいに、掛けてくれっていうシーン好き。
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