mh

この世界に残されてのmhのネタバレレビュー・内容・結末

この世界に残されて(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ホロコーストのサバイバーである主人公とヒロイン。人間関係が復活してゆくと同時に心の傷も癒えていくという、民間のサイコセラピーみたいなことがテーマ。
相手が同じ境遇にあることをひとめで見抜くプロットうまいね。
押さえたセリフ、廃した説明が、長く共産国家だったハンガリーっぽくて世界観が気持ちいい。
矢十字党は関係ないみたいなので、同じハンガリーのホロコーストものでも、「ミュージックボックス(1989)」や「ウォーキングウィズエネミー(2013)」とは無関係。そこは素直にナチスドイツの被害者という認識で間違ってなさそう。
映像で示される少ない手がかりから過去/現在を類推していくのが楽しかった。反面、歴史的なできごとにあまり絡んでいない(スターリンの死去くらい)ので、ググりがいがなくてつまらない。
終盤は結ばれることのない恋愛ものになってしまったのが、個人的には残念だった。
主人公があからさまに未練をみせるところがクライマックス/印象深いんだけど、おれはそこがいやだったんだよね。「善き人のためのソナタ」はその意味において理想形だった。
面白かった。
mh

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