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私のボクサーのtanziのレビュー・感想・評価

私のボクサー(2018年製作の映画)
3.8
原題:パンソリボクサー

パンソリがすべて。
オープニングのビジュアルから心を鷲掴みにされました。

オム・テグ見たさに選んだので、その殺人的な可愛さやボクサーとしての身体の動きに大満足。

低予算で作られた単館系の作品なのだろうけど、独特のカメラワークや空気感が心地よい一方で取り残された者たちの悲哀が絶えず根底にあり、ミンジの存在が主人公にとっても観客にとってもどれほどありがたかったか。ほんま、菩薩様のようでした。

エンタメに振り切れば試合の勝利で華々しく幕を閉じても良いものを相手を元同門にしたあたりから不穏で「そういうことじゃないんですね」と。どう着地させるのかと固唾を飲んで見守った。

ラストはめでたしと取るか、記憶を失いつつある彼の何度も繰り返される「長い夢を見ました」という幻と取るかで印象はかなり変わる。
自分は後者だったので、苦い後味が残ったけど嫌いじゃないし最後もまたエンドロールのパンソリに救われました。
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