くう

大コメ騒動のくうのレビュー・感想・評価

大コメ騒動(2019年製作の映画)
3.1
大正7年、富山の漁村の主婦たちが米の安売りを求めて運動を起こした。

シベリア出兵に伴う軍隊への供出、それを見越しての投機筋による価格つり上げなど、歴史背景をとても分かりやすく解説。

女性が物言えない時代の悔しさも伝わった。でも……

正直、スカッと!とはならなかった。

あれでは本当に訴えるべき所が何も傷まないではないか。と、つい思ってしまう。

しかし、あの時代の労働者では、あんな形で抵抗するしかないんだろうな。現代だって「通勤?リモートワークすれば?」みたいな層には言っても届かない。

ストーリーは創作でも、富山の主婦が立ち上がったことが全国に波及したのは史実なのだから、何でも無理だとか無駄だとか決めつけないで考え行動することは大切だ、とは思う。

決して大きくない身体なのに怒り肩で先頭切って歩く井上真央の決意に満ちた表情が本当に素敵。

他のユーザーの感想・評価

"日本の米 We want 米 至宝の愛
日本の米は世界一"
こっちが主題歌でもよかったかもね

富山で実際にあった1918年の米騒動を基にしたお話
第一次世界大戦なんかの影響で米の値段が高騰した事で生活していけなくなった漁村の女性達が起こした米の輸送阻止の襲撃や集団デモが新聞の記事に取り上げられる事によって日本中に広がった米騒動
事が起こるに至るまでだったり広がり方だったりを通じて、家庭とか食とかメディアとかのあり方だったりを見直してみてもいいのかもな的な

当時の貧富の差だったり生活なんかだったりを知れたやつ
新聞社が誇張して書き散らかして他の県の人達の後押しをしたので絵的にはそんなに大きな盛り上がりはなかったかなぁ…
演出として少女が夜の闇に消えてくとこはゾクっとした

主題歌が米米CLUBで「愛を米て」はやり過ぎかと思うけど口角は上がってしまった

吉本実憂が可愛かった!!

立川志の輔師匠の語り部が良かった
GO

GOの感想・評価

3.4
鬼滅の刃ですっかり身近になった大正時代のお話。
米騒動、教科書で見たことあるなー程度だったから色々学べることを期待した…まぁ当時の雰囲気、経緯はざっくり掴めたかな。
当時の富山の男たちが命がけで樺太に漁に出てたことは知らなかった。
普段時代劇を見ないせいか、話し方が当時の訛りを再現してたり音楽が和風なものを使っていたりとけっこう独特な作品に感じ取れて見ていて興味深かったです。役者も主演の井上真央以外の俳優はみんな一般人っぽい人を使ってたのもあって、この映画はリアリティがあるなと感じました。

ストーリーはけっこうシンプルな感じでした。ここはキャラクターが落ち込んでいくパート、ここは逆転するパート、ここは話を膨らませるパートという感じで、そこまで上がり下がりのような緩急はありませんでしたが一つ一つは大きく話としてはとても分かりやすかったので、基本大人に向けている映画ですが、子供でも楽しみやすいかなと思います。

あと、作品のトーンが良かったです。キャラクターが一般人だと言うのもあって、トーンがいい意味で一定でした。唐突に起こる変なギャグだったり激しいアクションだったり必要以上の感動を誘ったりなどの、映画っぽい要素がそこまでなかったです。ですが、一般人同士の小競り合いがメインの映画にはそれがちょうどいいかなと思いました。

ただ、井上真央と村の長老以外のキャラクターの見分けがつかなかったというか、今誰の話をしているのかをけっこう忘れてしまうことが多かったです。髪形を変えたり演技が特徴的な役者を雇うなどして欲しかったです。

特に特別良い所はなかったですが、話としてはけっこうシンプルながらキャラクターがこの話に関わる動機をちゃんと掘り下げていたので見ていて退屈はしなかったです。特別おススメするほどではないですが、見て損はしないと思います。
Taku

Takuの感想・評価

4.5
題材が米騒動は、ありそうでなかったかも。
コメディ要素が強めかと思いきや、結構重い内容のシーンが続く。
偏った価値観が蔓延り、特に女性にとっては生きにくい時代。
男性の私でも目を覆いたくなる様な場面もあった。
しかし、あれは現実にあったこと、また現在も似た様な価値観を持つ人間もまだまだ存在するし、理不尽に苦しめられている女性も存在する。
そして、金や権力を持った人間の中に汚い欲望を持った人間がいるのも、現在と同じ。
そのしわ寄せが来るのは、いつも弱者。
事勿れ主義で生活していても、事態は良くなるどころか悪化することもある。
声をあげることの重要性を再確認した。
無駄ということは無い。
主演の井上真央はもちろん、室井滋演じるおばばの力強さが印象的だった。
また、私塾の先生役の工藤遥も品のある役がハマっていた。
non

nonの感想・評価

3.3
なかなか深い映画でした!大正時代、富山か〜
それにしても、1俵?何キロあるんだろう?よく腰壊さないな〜💦漁師の女房は強い⁉︎
富山出身の身としては、この富山弁を県外の人は理解できるのか??
実際にあった米騒動を舞台に描かれる、性別格差と経済格差。
みっともないと思われながらも地を這いつくばり、米俵を奪い返そうとする女達。
お金も食費にほぼ消えていく様から、食べていくことが一番の命綱であることが見える時代。
今の当たり前が当たり前でない世界。
田舎町ならではの裏切りがちょいちょいリアル。
でも基本王道なので軽く観れる。
富山出身の俳優達の連続出演はもはや笑えるくらい。
室井滋さんのインパクトは凄い。
そして柴田理恵さんはちょい役でもしっかり爪痕を残すな~笑
なんだか我慢できなくて爆発する怒りの盛り上がりがいかにもヌルい。怒りを向ける相手も微妙にズレている。
samiam

samiamの感想・評価

4.0
良かったよー!
笑えたし泣けたー!
女性が不当な仕組みに対して声を上げ、行動を起こす素晴らしいストーリー。
富山弁全開!
やらんまいけっ!!

出演の役者さんたちが皆見事な演技。主人公役の井上真央、初めて見た(と思う😅)けど、いい役者さんだね。Fan!登録しようっと。おばば役の室井滋が怪演!😆
義母役の夏木マリの安定感。👍
志の輔師匠のご隠居ナレーションもいい。🤓
八百屋?農夫?のおじさんもいい味。アホの坂田みたいな雰囲気で。。。😂
井上真央始め若い女性の役者さん達が米俵担いで砂浜を往復。😲本物の米俵ではないとは思うが、背中にしょわせる時に結構体がずしっと沈んでいたのでそれなりに重量のあるもの担いだんではないかな。😆

キャストは、富山出身芸能人総出演!って感じ。監督さんも富山出身のかた。
室井滋、志の輔師匠、柴田理恵、西村雅彦、左時枝。。。他にもいたのかな。

うちのかみさんも富山出身。
しかも、本作の舞台同様に浜の人で漁師の家系。お祖父さんは劇中に語られていたように何ヶ月も漁に出たまま帰らなかったらしい。
つまり、かみさんは本作のかかさん達の血筋。完全に納得。。。😅
食料問題はいつの時代もあるよね、そして女が基盤を支えているんですね。
チソン

チソンの感想・評価

3.5
大コメ騒動が以外とゆるく思っていたより綺麗に描かれてた。
室井滋最高!エンディングの「愛を米て」米米CLUBとは狙い通り最後まで笑ってしまいました。
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それにし
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