ぐろりあ

すばらしき世界のぐろりあのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.4
役所広司さん主演で『すばらしき世界』と聞くともう根拠なく観たくて堪らないから早速鑑賞!

内容だけをみるとよくある話で今まで何度か観たり聞いたりした事と何ら変わらないし珍しくもないお話…

滑稽過ぎるほど滑稽で笑ってしまうし、何度も涙が出る…

ただ何だろう?

皆さん優しい!すごく優しい!
そして温かい!(意図的なのか)
悪そうな連中もどこか憎めない…

世話役の優しさに触れると感情揺さぶられ観ていて涙が出る。
些細な繋がりから人との触れ合いにたまらなくうれしく、幸福な感情が出てくる。
子供達は活き活きして生命力にみなぎってその輝きに堪らなくなる。
主人公を通して受け取れる感情…

だが現実の中で自ら折り合いをつけなくてはならない現実はあまりにリアル
我々にとっては身近すぎる程身近な世界。
でもこの世界の中でそう生きないと誰もうまく生きていけない世の中。
そこは“すばらしき世界”なのか?
わたしにはわかりません。

お役所も法律の中でなければ治安も何も無くなる。

一般的(?)な我々は至極当然なルールと思ってるし、大切だと思う。
これも我々がいる世界

物語の中で主人公を追いかけて観ている私はスクリーンに大写しになるハサミのカットがとても印象深く残る。

私個人的にはここで映画が終わるなら『すばらしき世界』になる気がしたけど…

その後のラストの展開は必要だったのか?

この世界をよいとか悪いとか言う事自体、意味ないけど、我々観客に突きつけられる鋭利な刃物があればすばらしき世界に生きる我々に答えが無くても考える機会をもらえたのではないかと…

あのその後のラストはほんとうに必要だったのか…皆さんはどう思ってでしょうか?
そればかり考えてしまう

にしても役所さんはすごかった‼️
一番脂の乗った時期のデ・ニーロみたいに計算づくしとは思えないが見事に…その背中だけで語っている男の姿
逸品でした。
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