山本愛生Iもっちゃん

すばらしき世界の山本愛生Iもっちゃんのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5
自分だって、この生きづらい世界に加担している一員なのかもしれないと思うと、迂闊に感想を言葉にできなかった。
ただ2時間半の映画を、三上の人生をもっと見ていたかった。とにかく彼が愛おしかった。
すばらしき世界、このタイトルには何が込められているのだろう。

人間は時に残酷だ。困っている人全てを救うことはできないし、誰かが得をすれば誰かが損をする時もあるから、自分のことだけを考えるようになる。

だけど人間には他者の幸せを自分の幸せと、他者の悲しみを自分の悲しみとできる時もあって、そんな時に私はすごく人を愛おしく思う。
そんな相手が、居場所が、みんなに見つかればよいのに。
困っている人全てを救うことはできなくても、理解し思いやれるようになりたいと、ラストシーンの青い空を見て思う。優しくなりたい。