すばらしき世界の奈のネタバレレビュー・内容・結末

三上さんは刑法さえなければ英雄になってたかもしれない、と言いたいくらい愚直で真面目な男像。三上さんはあくまでも悪を罰したつもりなんだよね、反省するところなんかなにもない。
人が困っていれば、人から頼まれれば善だろうが悪だろうがやる、全部相手のためだと思ってる。彫りかけの墨が、悪い人になりきれない三上さんを表していると思った。
そしてそれを包み込む皆さんの人情がものすごく沁みた。特に地元の組の姐さん…ちゃんと突き放してくれるの優しさでしかない。

でも『ヤクザと家族』と立て続けで観て思うのは、生きづらいのは元ヤクザのあなただけでなくみんな同じだってこと。人生に翳りが1ミリたりとも無い人なんていないよ。
追記:こういう、二言目には「自業自得だろ」と言いそうな考えが結局不寛容の正体なんだろうな。
こちらの北村有起哉氏は救う側でした。仲野太賀さんの熱秘めた演技もよかった。

あとキモすぎレビューになるけど、空港のシーン、着陸時は福岡空港だけど車で走ってるのは新北九州空港へつながる道なので、三上さんはかなり遠回りをしています。