旭川刑務所で殺人罪の刑期を終え今度こそカタギの社会で生活をすることを誓い東京へ向かう元極道の中年男三上。例え本人としては正義の鉄拳であろうとも、身近にカッとしやすく何かと大声を出す屈強な男性がいれば何かしら理由や利益がない限りあえて近寄ることはしない人の方が多いと思います。
ただこれは物語なので三上の周りには心ない言葉をかける人も多い分、彼の優しく誠実な部分にも気づき、彼から「逃げない」優しい人たちがたくさんいて、つまづいては手を差し伸べられつまずきそうになっては支えられを繰り返していくのです。
最終的にはある種のハッピーエンドを迎えたとも言える気もしますが、（社会や支援者にとってのハッピーエンドと言うべきか。あるいは三上にとってとも言えるかもしれない。）タイトルを思い出すことになった瞬間、うまく言えませんが、うぎゃという気持ちになりました…。
なんというかお前らの理想ってこういうのだろ？って言われてるみたいで頭を抱えてしまいました。
ただ本来湿っぽい内容であるはずの話がカラッと晴れた夏の日のような仕上がりになっていて見やすかったです。うぎゃとはなりましたけども。
作中、みんな誰かにとってはとても良い人なんですが、なんとなくツノダだけは最後まで好きになれませんでした。でもテレビ局のヨシザワは長澤まさみって本当にああいう人なのかも？と思えるくらい嫌な感じで良かったです。
