映画として素晴らしく実に心動かされる。そしてだからこそこの映画を見て絶望する。
この映画の主人公の三上は実に魅力的な人物だ。自分の感情に素直で一本気、嬉しいときは大声を出して喜び悲しいときはとことん落ち込む。常識外れなところはあるけれど、その場合は大抵常識そのものにも問題があったりする。とても人間的な人物だ。だからこそ結果多くの支援者が彼のもとには現れる。必ずしもいい人ばかりではないけれど。
もし自分が一度この状況に落ちたとき三上のようなバイタリティーを発揮できるだろうか。他人ときちんと話ができるのだろうか。そしてありとあらゆる人の目に耐えることができるのだろうか。この三上という主人公はそのバイタリティーと人間的魅力がある時点でこの環境に対してまだ適応力がある方だと思う。それでもここまで追い込まれてしまうことに人生に対する絶望をかんじずにはいられない。
