このレビューはネタバレを含みます
「 この映画を観たら死にます。 」
劇中でもその名前が挙がる、かつての「 リング 」の「 呪いのビデオ 」的な、ついついドキッとしてしまうような謳い文句。
「 禁句 」だとか、「 発禁 」だとか、もうその類のワードだけでオカルト好きはワクワクしてしまいますよね。
キャッチコピーも「 史上最も呪われた映画 」と この手のモキュメンタリー作品として触れ込みはバッチリだったものの、
公開前に配給会社が行った「 除霊式 」なる謎の寸劇イベントあたりから雲行きが怪しくなり、段々と胡散臭さが増してくる。
いや、こう言った作品の性質上 ある程度は胡散臭くても良いかもなんだけど、
その所為で折角の「 なにやらヤバい映画らしいぞ…?? 」と言う この作品の唯一にして 最早それが全てと言っても過言では無いイチバンのセールスポイントがごっそり削がれてしまう気がして勿体無いなぁと。。。
とかなんとか言いつつ、結局は「 一体どんな作品なんだろうか 」の好奇心には勝てず、期待値を極限まで下げ いざ映画館へ。
いつもは人の少ない平日を狙って劇場へ行く事が多いんだけど、「 アントラム 」に関してはある程度 人が多そうなタイミングで観た方が何かと面白そうだなと思ったので、敢えて土曜日の夕方と言うゴールデンタイムに。( と言うか県内で1劇場、1日1回のみの上映だった )
話題作だけあって、ほぼ満席に近かったですね。意外だったのは年齢層がかなり高めだった事(!)
細かい内容については触れないけど、総括すると「 思ったよりも普通の映画だった 」と言う事。
もっと徹底したリアリティーさだったり、得体の知れない不気味さや不条理さが欲しかった。
肝心要のサブリミナル効果も何処か態とらしく、途中からただの異様にテンポの悪いC級ホラー映画にしか見えなくなってしまって。
全体的に中途半端な作りで、もっとカルトムービー然としていて欲しかったなぁと。
とは言え、期待値を極限まで下げていたからか 予想以上でも以下でも無かったので「 見て損した!1900円返せ! 」的な後悔は一切無し。
むしろ早かれ遅かれ多分DVDで観るタイプの作品ではないだろうと思っていたので、公開期間中に行けて良かったです。満足。
同配給の前回の某ドキュメンタリーが過去イチレベルで退屈だったので、それに比べたら。。。( TOCANAさんのWEBはめちゃめちゃ好きです )
死ぬほどピュアな人と、カルトムービー好きだから取り敢えず観ておくか〜的な人は楽しめるかもしれません。
あ、このレビューが遺作になりませんように。