Aya

アントラム 史上最も呪われた映画のAyaのレビュー・感想・評価

3.6
#twcn

こういう映画に出会うのが、前情報入れずに映画を見る醍醐味だと思う。

「話題のホラー映画」レベルの知識で行ったので、おっどろいたぁ!!

完全に「アントマン」と「コンジアム」をごっちゃにして見に行ったジャン!

「この映画見たら死ぬから!死んでも訴えないでね!てか死んだら訴えられないよねご愁傷様!死にたくないやつー!劇場出るなら今のうちやで!」ってご丁寧に30秒カウントダウンしてくれるのw

え?
そういう感じ?!
私死にたくない!

明日、仕事も歯医者もあるし、3連休の前だし!
丁寧なAttentionと本編が始まるまでのカウントダウン。

ドッキドキ!
一瞬ガチで出ようかと思ったらスカスカの劇場なのに隣に人がいるぅ!
出れないジャン!

まぁ、ホラー映画1人で見るの怖いから、敢えて誰かの近くに席をとったの自分なんですけどね。

10人もいないシアターなのに、なんか自分の近くに座ってくる私が怖い人じゃないか!!

※ネタバレなし※
(下にネタバレ編を書きますのでご注意!!後、映画見て死にたくない人は面白半分に読んでください)

1970年台後半に作られたアメリカ映画「アントラム」。
数々の映画祭に出品するものの、観客向けに上映されることはなく、作品をチェックした映画祭の担当者は軒並み24時間以内に死を遂げ、ハンガリーでは56人が火事で死亡する放火事件が発生。

また、サンフランシスコの地方の劇場では、ポップコーンに故意に混ぜられたLSDと、シアターの出入口を施錠された状態でパニックが生じ、さらに犠牲者が。

それからフィルムは行方不明になり、近年、その35フィルムがオークションにかけられた。
フィルムには人為的にサブリミナル効果を生じさせる謎の怪奇映像の挟み込み、音響的不響音などがほどこされていると科学的に言われており、

これに目をつけたドキュメンタリー作家がこの作品の紹介を交え、全編を遂に観客に見せる。

いかにこの映画が呪われているか?
今までの事件の紹介と専門家によるコメント。

そしていよいよ本編へ。

本編は愛犬を安楽死させたシングルマザーと姉弟。
母には「犬ちゃんは悪い子だから地獄に行った」と聞かされる。
弟は地獄のイメージで毎夜悪夢を見る。

それを見かねた姉が「追憶の森的な森に地獄への入り口(トンネル)を掘って犬ちゃんに会おう。そのためには何層かに分かれた地獄への穴をひたすら掘ろう」
と提案する。それぞれで試練がある。
番犬のケルベロスや、デーモンの出現。それを乗り越えて犬ちゃんに会うのか、それとも地獄の世界飲み込まれてしまうのか・・・。

この「アントラム」という映画自体結構良く出来てる胸糞映画なことにまず驚いた。

弟を慰めるつもりなのか生贄として捧げるつもりなのか、こんな年頃の子供何日も放置できるはずないので、明らかにババアは殺してきた感じ。
姉が。

で、ある程度登ったところに狙いを定め、キャンプを張って、キリストや仏像っぽいやつ、シヴァ神、三日月(だんだん雑になってキタァ!)などをダビデの星の端っこに置き、目の耳と鼻を守りたまえ、とお祈りを捧げてから作業開始。

とにかく2人で大人用のシャベルを使って穴を掘り掘り。ある地点で弟は「第一層にきた」と直感のように呟き、お腹が空いたらそんなに食料持ってきてないくせに、景色のいい岩場でサンドイッチを食べながら、日本人の切腹を目撃しちゃったりして。
この時も姉は見殺しにしようとしたりして。

そして弟の見る不思議な黒い人型のもの。ツノが生えており、絶妙な遠さと草陰で全貌は見えない。ケルベロスの鎖の音、真夜中に見かける全裸の少女を乗せた方舟。

完全に姉、弟をこの穴に埋める気や・・・自分の死体を埋める穴を掘らせるとかマフィアか!と思っていたら、物語は予期せぬ方向へ。

この追憶の森の中には、彼ら以外の人物がいた。
(この辺りでガス・ヴァン・サントオマージュに気付いてくださいね!)

ハンガリー語を話す2人の中年の男が寂れた田舎の修理工場のような場所で、1人は獣を捌き、1人は獣姦中(ほんとにGでだいじょうぶ?!)。

そして2人の間には今流行りの「パラサイト」のジェシカ・ソングのポーズをした巨大なキモいブリキ製の像が。
そしてその日まで火を焚く獣姦男。

瞬時に危険を察知する姉。
弟を連れて逃げる!!逃げる!!ボートにも乗る!すげえガッツでなんとか逃げ切ったと思ったら・・・元いた場所へ。
ホンモノの恐怖とか、カルトか怪しい男たちか、それともこの姉弟か・・・。

それから結構大変なことになりまして。
えっ?!
やめてー!!

もー(T . T)
あーだからか!
弟の目覚めと姉の限界。

そしてこのキモいハンガリー人の2人の住んでるコミュニティが結構おされでw等間隔に設置された工具、車のナンバープレート、生活用品に埋もれずかなりいいアクセントになっており、檻もある。

演出もいいと思います。
弟の見る黒い「何か」の正体、姉の不器用な浅はかさと子供っぽさ。

最初に説明がある「人為的に加工された映像と音響」がどの部分かわからない暗いこの映画自体にもデーモンやHellの幻影が登場する。

そして映像や音が時に狂い、何か閉じ込められた血だらけの裸体の男と女が画面に映るシーンがある。

この姉妹の演技も素晴らしく、始まった時から不穏感が満々。
逆に最後に人間らしくなったと思いました。

後、1970年代に作ったにしては映像が綺麗なので、コレ修復してるのかなぁ?明るさ出してないか?
と思ったり、お姉ちゃんの髪の毛ね!
気になる部分はあるけど、終始不穏な空気が漂う作りと恐怖が形を変えるところ、そして自らの言ってみれば軽はずみな行動が決定的な悲劇を巻き起こす、という話になっています。

そして「アントラム」が終わり、その映画の科学的な作用についてのウンチクが入る。

私、左が効き耳なんだけど、若い頃に大きなスピーカーで大きな音を相当聞いてるので、耳があまり良くないんですね。
そんな私にそんな効果は通用するのか・・・後、コレ、座る席によるくね?

そしてシアターによるくね?

私はBoid爆音でおなじみのBoid音響の方が調節された京都みなみ会館で見たからかなり良かったと思うのですが、もっと小さな地方の劇場とかで聞いた時ちゃんと聞こえるのかなぁ?

と思ったり。

いや、ほんとに胸糞映画として1970年代にコレはかなりいい出来でした。


※ではネタバレにします※
映画見て死にたくない人は見る代わりに読んでください。。
映画見る予定の人は絶対読まないでください。

!!Attention!!

なんと、この映画の35ミリフィルムの1コマ1コマに不安を生じさせるカルと心境のマークが貼り付けられており、サブリミナル効果的にそのマークを映画内に170回も登場させていたことがわかった!!

なんで細かい仕事なんだ(T . T)

というかそもそもフィルムの映画で作為的に手が加えられたのならまた切り貼りして戻せばええやん、て話だし、そもそもフィルムの映写機を置いていないようなミニシアターも含め全国各地でかかっている点でお察し。

まぁ、モキュメンタリーだよねw
うっまい売り方!!
絶対未体験ゾーンの映画の世界ででかかってそうな映画かと思いました。

てか穴掘るのに使ったシャベルは普通に武器として使えそうじゃね?
最強武器談議の時も必ずシャベル派の人いるじゃんw

いや、私、この映画が見たら死ぬの、知らなかったし!
映画が終わった後も全然気付いてなかったし!!

だって、最後まで字幕翻訳の人の名前が出ないし!パンフレットにも書いてなかったし!!

帰ろうとしたら、ICOCA落とすし!ヒールのかかとが減って、鉄の部分が見えちゃってるし!!!!

家帰ってきたらご飯ないし!(当たり前w)
ポン・ジュノの舞台挨拶も売り切れらしいし!
今日も朝から仕事もりもりだし!帰れないし!
歯医者だし!!特売のアイス売り切れてるし!ダイエット始めたし!

死ぬかも・・・。

違和感を感じたのは映像の綺麗さとお姉ちゃんのヘアゴムですよ。
1970年代にウレタン製の細いヘアゴムってなかったはず。

で、調べたらモキュメンタリーだと。

そうなの?!

え?

死なないの?!

今の私の死因として考えられるものNo.1は、日本で撮影中のGIジョー、ヘンリー・ゴールディングの奥さんリヴもTOKYOに来てて(T . T)

万が一どこかで出会したら推しカプに会い、ハートアタックで死ぬ、という最高の可能性があったのに・・・。

ストーカー通常運転だけど、ご家族が一緒と分かった瞬間停止するというw
東京にいるぞー!!!
空気多く吸っとかないと。

てかGIジョーの会見で東京に来て、奥さんと東南アジア旅行して、姫路で撮影して、NYに行って、ガイリチの夢の映画のプロモして、大阪に入って、次はロサンゼルスに飛びアカデミー賞のアフターパーティー。

そしてまたTOKYO・・・超忙しいね(T . T)
マイルめっちゃ溜まるね(T . T)

話が逸れたぜい!!

まぁ、そういうことなので、この映画を見て死んだとされる話も全てフィクションであり、したり顔で語る専門家たちは役者さん。
もうこいつらごっさうさんくさいから、コレは??と思ってたら・・・。

でも、ハッキリわかったのはヘアゴムですマジで。
後、このババアは殺してないのかな?
姉がババア殺して弟も生贄にしようとしてるオカルト映画やと思ってたし、そもそも森の入り口に映画の冒頭で首吊り自殺した少年に向けた追悼の品々や「ここは富士の樹海やで!命の電話こっち!」という看板の横にさりげなくなく飾られる弟の写真。

この姉や!!と思ってたら。
だってそれにしてはめっちゃ優しいお姉ちゃんだもんね!!

というお話でしたので、もしこの映画を見て死んだ人は本当にご愁傷様です、としか言えないし、なんだよ!と思った人にも同じ言葉を送ります。

こちとら死ぬよ!死なないよ!の過程が3時間で目まぐるしくあったので、かなり楽しかったです。

さっきも書いた通り、「アントラム」の不穏感とセンスを感じるセットや演出。イマドキな感じしますね。

そして「アントラム 史上最も呪われた映画」自体もまぁうまいこと公開に成功したな!と思いました。

モキュだよ!って言ってる人あんま見ないし。
愛されてるね!

で、私左耳が特に弱いので4Hzレベルの音に多分反応しないと思います(ちなみに皆さんが就職する時に会社に提出する健康診断の正常な聴覚が40Hz〜30Hz。

それよりBPM(音の速さ)の方がうまくね?
ちょっと早くね?と思いました。

本当に音響のいいシアター、ドルビーとかで見ることをお薦めします。

でも、普通に「映画が人の健康に良い作用を与えることが実際に起こり得るのであれば、逆もあるのでは?」というご意見は興味深い。

確かに。癒す効果もあるのならまた逆もしかりでは?と思いましたし、精神や脳に対する影響を数値化するのって結構簡単だし、作ろうと思えば「見る人を殺す映画」って作れるのでは?と思いましたし。


日本語字幕:いい加減、字幕翻訳の方のクレジット入れない配給会社ダメだと思う。パンフレットにも書いてなかった
Aya

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