竜どん

ファンシーの竜どんのレビュー・感想・評価

ファンシー(2019年製作の映画)
3.0
原作未読。山本直樹は森山塔名義の成年漫画家の頃から哲学的な題材を暴力とセックスを絡めてシニカルに表現するのを得意としていたが、その特殊な空気感は出てる。
雰囲気はポップというよりも表題通りファンシーだし、昭和感満載のひなびた温泉街を舞台としたレトリックさ、心は別にあっても何となく身体を許してしまう女性観、あっけらかんと行われる暴力描写、ラストの「放り投げ」っぷりも非常に山本直樹的だが、同作家好きじゃないと全く理解出来なさそう。
「どんな泥舟だろうと自分の人生は全部自分の時間」
空虚な世界観の中で郵便屋の優しくも鋭利な言葉が胸に残る。
竜どん

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