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プラットフォームのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
4.2
物語の主人公ゴレンは謎の部屋で目を覚ます。窓はなく、壁には「48」の数字、部屋中央にはポッカリと空いた底知らずの穴。状況が飲み込めないゴレンは、向かい座るおじいさん・トリマカシの存在に気づく。トリマカシはここに1年間居続けた熟練者で、ここが地下48階であり、その他建物の奇妙なルールをゴレンに教える。「各階に2人」「一ヶ月経つと階層が変わる」「食事は上の階から順番に食べていく」と。下の階層ほど、食事にありつけない構造に、絶句するゴレン。彼は何のためにここに居て、ここはどこなのか?的な物語。

『キューブ』、『ソウ』に続く「あれ、おれなにしてんの?」系で始まる序章からワクワクが止まらないのだが、中央の穴を降りてくる食事を乗せたテーブルは、1階の2人から徐々に食べられていく仕組み。地下50階に降りる頃にはカスしか残ってない。人によってはテーブルにしょんべんかけたり、下界層の人の顔にウンコ発射したり、かなり悲惨。そもそも地下何階まであるの?この建物なんなの?という謎が徐々に明かされていく中、自分の生存と他人の生存、普段考えないことを無理やり体現させられてしまう仕組みは、『キューブ』、『ソウ』ともまた違う、深みの渦に落とされた気分よ。というか社会の縮図の中で人の倫理観の尊さを学ばせられる映画。そう道徳の授業で生徒に観せるには合格。とりあえず自分も明日からパン1個で生きてくわ。
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