シギ

プラットフォームのシギのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
4.8
まず説明するわな。
死ぬほど面白いから絶対見て欲しいんやけど、とりあえず説明するわ。

舞台は、地下何百階もある、謎の施設。

主人公が地下48階で目を覚ますと、
牢屋に知らん人と2人で閉じ込められています。

その部屋の真ん中に、
底が見えへんぐらい深い穴が空いてるんよ。

見上げると地下47階が見えて、
下に49階が見える感じやね。
そうやって何百階も、
牢屋が縦に繋がってるんよ。

ほんで毎日時間になったら、
その穴を上から順に、
豪華料理が載った大きなテーブルが、
ウィーンって降りてくる。

それを食べて
半年生き残ったら外に出られる。
それだけの映画。

毎日一回、
上から順に、地下一階、地下二階、地下三階って、どんどん10分置きぐらいにテーブルが下に降りていくんよ。その間にご飯食べる。

つまり上の階の人の食べ残しを食べて、
生きていくルールなんよね。

もちろん地下一階の人は、好きなだけ高級料理を食べられますが、地下100階の人は皿に何も残ってない。主人公の48階でさえ、普通なら捨てるような残飯の山にしか見えませんでした。

面白いのが、
1ヶ月経つと、階層シャッフルなんよ。

今月地下1階で天国やった2人が、
来月地下100階で共喰いかも知れない。

極限状況で人間の尊厳や信念がぶち壊されて、人間のドス黒い部分が剥き出しになるストーリーはもちろん面白いんですが、

何かの比喩だと思って観ると、
めちゃくちゃ面白いんよ。

これね、
全員が最低限の量を食べて下の階にテーブルを回せば、余裕でクリアなんよ。

でも上の階の奴等は、めちゃくちゃ食べるんよ。下の階の人が死のうが関係ない、自分さえ良ければいいんよ。

でね、現実世界でも貧富の差はあって、たった50人の富豪で、世界の総資産の半分を持ってるみたいな話もあるやんか。
そいつらの食べ残した残飯を、僕達一般人は分け合っていて、まぁ日本人はこの映画で言えば最上階に近いと思うんやけども。

いやー、これがね、貧富の差でも、会社の役職でも、恋愛のモテ度でも、自分で好きなものに置き換えられるから面白いなと思います。どんなに悔しくても、上から下に嫌がらせはできても、下から上には手も足も出ない。

でも「今月自分の下の階の人が、来月には自分の一つ上の階になるかも」という想像をして行動しないと、復讐されますね。

映画の設定や展開はトップレベルでしたが、ラストの着地が中途半端なので満点では無かったです。

この施設壊すか、
脱出成功して更生か、
最悪のバッドエンドでいいと思うんやけど。

とりあえず4ヶ月目の階層で絶望して下さい。
どれだけハードル上げても大丈夫、
4ヶ月目は絶望。
シギ

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