Shelby

プラットフォームのShelbyのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.5
あらすじ
ある日、主人公ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が"プラットフォーム"と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!果たして、彼は生きてここから出られるのか!?

スノーピアサー、CUBEを彷彿とさせる作品。
しかも結構グロめのやつね。下層に行けば行くほど食料は残っておらず、食べるものがあるとすれば同部屋のパートナー。つまり人肉のみ。作品の中でもカニバリズムシーンがちらほら。ガッツリモザイクかかっちゃってます。他にもグロ注意シーンが多め。

考察サイトを読み漁り、聖書に基づいた作品だという見解もあれば、資本主義社会の中にある格差社会への痛烈なメッセージだという意見もある。

そんな難しい見解で実際に鑑賞することは出来なかったが、深読みしたがる映画ファンには本当にうってつけの面白さだなと。

主人公ゴレンが唯一の良心として、この理不尽極まりないシステムを変えようと奮闘する。上層部にいて、食べ物に余裕がないとこの考えに至らないであろうし、それを実際に実行するのは僅か数%しかいないはず。しかしこれは現実社会でも確実に起こっていること。

中間層や下層部にいる人々は体力も知力も思考力も持たず、ただただ目の前に届く食料に食らいつくのみ。下層部の苦しみを知っている上層部を多く作り、そして現状を打破していくリーダーを作ること。組織作りでも重要なことだよな、と仕事目線で見てしまっていたもので、そんなことに気付かされてしまった。

好みは別れそうだが、ワンシチュエーション物の映画としてもかなり出来は良いかと。
Shelby

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