まいこ

プラットフォームのまいこのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.0
スペインの新鋭ガルダー・ガステル=ウルティアが、極限状態に置かれた者たちの行動を通して様々な社会問題をあぶり出した異色スリラー。
舞台は部屋の真ん中に穴が開いた高層の建物、食料は上から下へ移動する“プラットフォーム”に乗った残飯のみ。下層へ行くほど過酷になる状況下でのサバイバルを描く。

物語は寓話的。根幹にある題材そのものは"宗教"であり、世界的に存在する貧困や飢餓といった社会問題を見やすく映像で表現した、と考えるとわかりやすい。バトルロワイヤル形式で話が進んでいくのは大好物なはずだけどそんなんどうでもよくて、クソ不味そうなご飯のセットとモノリス式のテーブルをどうやって作り上げたのかが気になる。

キリスト教の二次創作モノって普遍的に受け入れられてるけど、よく考えてみると同人誌とそんなに変わらない訳で。いくら厳かな雰囲気を作ろうともバトロワ要素が入ってくると某宗教企画映画と変わらない贋物みが臭う。だからいくら本作のように自らの日頃の行ないに対し反省を促すような作風を作り出されても「でもあんたら児童虐待しますやん(鼻ほじ)」っていう。現代世代向け宗教布教用作品。

彼らはあなたの上にいる、彼らはあなたの話を聞かないだろう。彼らはあなたの下にいる、彼らに話しかけてはいけない。
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