ぶみ

プラットフォームのぶみのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.5
穴の底には何がある?

ガルダー・ガステル=ウルティア監督、イバン・マサゲ主演によるスペイン製作のスリラー。
目が覚めると、部屋の真ん中に穴があき、階層のような建物に閉じ込められていた主人公の姿を描く。
冒頭、同室にいるもう一人の男性との会話により、部屋の説明がなされるとともに、食事がプラットフォームと呼ばれる台座に乗せられ降りてくるため、すんなりとその世界観に入り込めることに。
物語は、階層の移動はあるものの、基本その建物内で展開していき、建物の無機質さや閉塞感はソリッドシチュエーションスリラーの真骨頂と言えるもの。
そして、本作品では縦方向の構造による格差社会の縮図と、人類にとって必要な要素の一つである食事が鍵を握っているのが最大のポイントであり、極限状態に陥ると人はどうなるかをシンプルに描き出している。
ただ、食事シーンも含め、目を背けたくなるような描写もあるため、苦手な人は要注意。
プラットフォームが完全に浮いていたり、そんな階層の建物が建造できるのか等、物理的なツッコミどころは多々あれど、それは野暮というもの。
そんなことはさておき、人間社会の縮図をシンプルでありながら深く描き出したスリラーとして、純粋に楽しめる一作。

お前には本、私にはサムライ・プラス。
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