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本当の目的のkuuのレビュー・感想・評価

本当の目的(2015年製作の映画)
3.0
『本当の目的』
原題 Three Days in September.
製作年2015年。上映時間89 分。

マケドニアのダリヤン・ペヨフスキ監督が、列車で出会った二人の女性のそれぞれの抱える真実と、そこで生まれる奇妙な友情を描く作品。
主演はイレーナ・リスティックとカムカ・トシノヴスキ。

列車で出会ったヤナとマリカはすぐに打ち解ける。
(まぁ仲良くなるのは良いが、マリカから貰ったクッキーみたいなボロボロとクズが落ちるお菓子を、ヤナは、袋にも包まんと鞄にいれるのは文化の違いなんか頂けんなぁ)
二人はヤナの暗い過去を秘めた田舎町に向かう。
一つ一つ、秘密が暴かれていく。マリカは殺人容疑で逃走中、ヤナは過去の復習をしようとしていた。
二人には協力する以外に道はなかった。

今作品はスローテンポのサスペンスでした。
対話は最小限で、演技は巧いとは云えないけどドラマの脚本は劇的なパフォーマンスと、独特な雰囲気によって高められました。
映画全体にマケドニアの風景が散りばめられてて、こんな場所に生涯赴く時はないやろなぁと、遠くの地への想いを馳せましたが、
今作品はあくまでもマケドニアと云う土地やし可能な作品なんかなぁと。
マケドニアって内戦が続いて領土問題で揺れた地域やし、ブルガリアやギリシャが分割して支配しているような、ヤバめの地域。
せやからこそパスポートや戸籍の問題が曖昧になっているし、今回のような犯罪も可能なんやろし、日本で描くなら太平洋戦争後の焼け野原時期で描くしかないやろなぁと、こちらも空想に思いを馳せたかな。
現代社会に放棄されたような、隔絶したマケドニアの過疎の山間の村。
ヤナとマリカの間の微妙な相互作用とそれらの関係の発展は、さまざまな場所でさまざまな方法で何度も表現されてきたし、予測は可能ではありけど、マケドニア作品として珍しいモノ観たさて観る感には十分な作品かなぁと思います。
個人的には可もなく不可もなくでした。
kuu

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