ジャイロ

第七の封印のジャイロのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
3.7
子羊が第七の封印を解くと、天は半時ほど沈黙に包まれた。いよいよ第七の天使がラッパを吹く時、地上には最後の審判が訪れる…

十字軍、ペスト、魔女

終末の世と旅芸人の週末

奇妙な一行を率いるのは死を前に足掻くもの

マックス・フォン・シドー

『魔術師』もそうだっけど、相変わらず存在感すごいなあ

やがて魔女まで引き連れて、この一行はいったいどこへ向かうのか…

この映画、度々小さなおしりが出てきます。瑞々しいほどの生の象徴としてのおしり。しかして物語の舞台は死の匂いしかしない。この対比。

足掻きに足掻くチェスは確かに面白い

求道者の告解は神に届くのだろうか

果たして神はおわすのか

それともおわさないのか

おわさないんじゃないのもしかして?

そんな疑問に苛まされて

死ばかりが無言で傍らに佇む

この死がまた超然としていながらも実に人間臭いんです。木も斬ったりするしね。

なんといってもラスト近くの驚愕の訪問者

このシーンね

まるで救いが訪れたかのようで実に印象的だったなあ。生と死の邂逅もまた実に皮肉に満ちていました。