茶一郎

第七の封印の茶一郎のレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
4.4
『神様はどうして黙っているの?』

 ベルイマン『神の沈黙三部作』につながる一本。
「フォースの覚醒」ロア・サン・テッカ役に今作の主人公役マックス・フォン・シドーが出演していました。
死神とチェスをするビジュアルイメージ。映画における黒いフードが死を表現する文法がここから来ているそう。

 舞台は中世の北欧、ペストが伝染し、人々はすがるよう神に助けを求める中、主人公と従者ヨンスは徒労に終わった十字軍の遠征の後、神の存在に疑問を抱くようになっている。
冒頭、主人公は死とチェスをすることで、死に猶予を持とうとする。『人々が困窮している中、どうして神は黙っているのか』『神は存在するのか』『人が死んだらどこにいるのか』
『虚無』を怖がる主人公。神の存在を確かめるため旅を続け、道中で旅役者、神学者、鍛冶屋、様々な人に出会う。

 シリアスな会話劇とコメディが絶妙にマッチする不思議なバランス感覚。従者ヨンスが無神論者故にコメディリリーフ的な役割を担っている。
『死んだ先は無なのか』とても普遍的な恐怖が描かれている。希望に満ちたラスト。今作で投げかけられた問題提起をベルイマンは作家人生を通して答えを見つけようとします。

死には役者特権は無いみたいです。