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第七の封印のmkのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
4.5
死神との対話
イングマールベルイマンが映しだす「死」「神」の存在。一見難しいようだが、でも彼の映像を読むと自分の中にスッと入ってくるものがあった。(いや、でも深くて、難しかったのは事実)

キリスト教の中高大に通い、世界史を専攻していたため基礎知識はあり、助かった。
ジメジメとした薄汚い森や小屋が中世ヨーロッパをよく表していた。それに加え、十字軍、ペスト流行、魔女狩り。人口の激減とともに、人々が恐れるドゥームズデイが近いとされていた。みな神にすがり、悪魔に怯えていた。
アントーニウスは神の沈黙に嘆き、神の存在を確信したかった。対するヨンスは現実主義者。この2人の会話や行動が全く異なっていて、より作品に深みが増していた。
ラストシーンの死の舞踏の図をみたとき、今までのようにシュールさを笑い飛ばすことができなかった。そして死神に目をつけられたヨフ一家はこの後どうなるのか。

考えれば考えるほど、いろいろな憶測が飛び交って、より脳内が混沌と化す。こういう映画にもっと出会いたい。ベルイマン監督に感謝です
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